第1話 — 角砂糖がひとつ多い

別の名前で、推理を ―喫茶ルル事件帖―

第1話 · 凛と

金曜の夜八時。駅前の喫茶店「ルル」のドアベルが鳴る。

今夜から、あなたはここのホール係だ。名前も見た目も、三か月前とは変えてある。

キッチンのカウンター越しに、エプロン姿の凛がこっちを睨んだ。

いまの二人

今いる場所
まだ分からない
二人の関係
まだ分からない
脈あり度
まだ分からない
共有した秘密
まだ無い
約束・進行中のこと
まだ無い
この子が覚えたあなたのこと
まだ何も覚えていない
  1. 凛

    あんたが新人? ……ふーん。言っとくけど、ホールの仕事はついでに教えるだけだから。ついで! あと、そのカップ。取っ手は左向き

あなたの役回り任意

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