『私を捨てた夫が、私の会社に面接に来た』第8話「切り取られた言葉』
——私が悪者?
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第7話と同じ日の昼、会社の会議室。小野寺がネットの音声を再生し、美咲が仕返しで健太を落としたように聞こえる。美咲の口は動かさず、流れているのが録音だと示す。美咲が望むのは、会社の録画を最後まで聞いて本当の発言を確かめてもらうことだと短い字幕で示す。
高橋 美咲の声が響いた。「あなたが私を捨てた……面接に落ちた。」
小野寺 遥「ネットの音声です。」
これを聞くと、捨てられた仕返しに、美咲が元夫を落としたように聞こえる。
小野寺 遥「外部の弁護士、小野寺です。公平に、会社の録画と比べます。」
中村部長が会議室に入ってくる。投稿した人が、今度は「会社の録画こそ偽物だ」と書き込んでいる。
中村 浩二「この音声をネットに載せた人が、「会社の録画こそ偽物だ」と。」
美咲は、それなら会社の録画を最後まで流してほしいと頼む。
高橋 美咲「それなら、会社の録画を最後まで流してください。」
小野寺が会社の録画を流す。美咲の言葉には続きがあった。「関係ない。あなた自身の嘘で決まったの」。
高橋 美咲の声が響いた。「あなたが私を捨てたことと、面接に落ちたことは関係ない。あなた自身の嘘で決まったの。」
ネットの音声は、真ん中の「関係ない」が切り取られていた。
小野寺 遥「「関係ない」を消して、嘘にしたんです。」
ネットの音声は、面接室の中でスマホで録られたもの。録れたのは、美咲と健太の二人だけ。
小野寺 遥「この音は、面接室の中でスマホで録られた音。録れたのは、美咲さんと健太さんの二人だけです。」
会社の録画で本当の発言が分かり、美咲への疑いが晴れた。その結果として、中村部長が頭を下げ、採用の仕事に戻ってほしいと伝える。美咲は「はい」と答え、最後の無言の1.1秒で緊張がほどける。録画による潔白の証明と、ここでの安堵を一続きの決着として見せる。
中村 浩二「すまなかった。採用の仕事に戻ってくれ。」
高橋 美咲「はい。」
中村部長が、本人への確認で健太が投稿を認めたと報告する。会社は健太に訴えを起こすと決める。
中村 浩二「本人への確認で、健太さんが投稿を認めました。会社は訴えます。」
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その日の夜、健太のアパート。届いた会社の弁護士からの通知を健太が開いて読む。会社が自分を訴えると知り、青ざめる。梨花のもとへ向かうと分かる短い言葉を発し、通知を手に玄関を飛び出して走る。
高橋 健太「弁護士から……俺が音声を切って流したから、会社が訴えるって……。」
青ざめた健太は、通知を握ったまま、出ていった梨花の実家へ向かおうと玄関へ走る。
高橋 健太「実家に帰った梨花に頼むしかない。今すぐ行く!」