【公式映像脚本】『息をする白い絵、掃除係はなぜ店主を近づける?』
キャッチコピー:絵が息してる?
■ 登場人物
・三宅 直子(盗まれた絵を取り戻すため、店の掃除係になった作者。)
・黒田 信夫(白い絵を盗み、売ろうとしている古道具店の店主。)
■ 本編カット割り台本
【シーン 1】
◆ s01(4秒)
ト書き:店主が画面外の絵を見つめる。絵から低い呼吸音が聞こえる。冒頭の短い字幕だけを最初の瞬間から出す。
テロップ:[絵が息してる?]
黒田 信夫「売りたいのに、白い絵が息してる。」
◆ s02(5秒)
ト書き:灰色の布を持つ直子を紹介する。直子は困っている店主に穏やかに対処を申し出る。
テロップ:[昼・古道具店 / この店の黒田信夫/ここで働く三宅直子]
三宅 直子「息、止めましょうか。」
◆ s03(5秒)
ト書き:信夫は直子を見下して申し出を退ける。視線は画面外の直子へ向ける。
黒田 信夫「掃除係が、絵のことに口を出すな。」
◆ s04(5秒)
ト書き:直子は絵の性質を知っていると示し、呼吸を止めるためだと思わせて信夫を額の前へ誘う。
三宅 直子「前に立つものを覚える絵です。」
三宅 直子「息を止めたいなら、額の前へ。」
◆ s05(5秒)
ト書き:低い固定棚に立てた白い絵の前へ、信夫が画面左から入る。絵を正面に見て止まる。白い画布は呼吸のように緩くふくらむ。信夫は盗んだ物だと口にする。
黒田 信夫「盗んだときは、真っ白だったぞ。」
◆ s06(5秒)
ト書き:直子は同じ灰色の布を持ったまま、布をかけると絵が完成すると説明する。画面外の信夫が実行を求める。
三宅 直子「布をかけると、絵が完成します。」
黒田 信夫(声)「早く止めてくれ。」
◆ s07(5秒)
ト書き:直子が盗まれた絵の作者だと明かす。呼吸を止めて自分の絵を取り戻すと宣言し、布を持ったまま信夫を見据える。見下されていた掃除係が、自ら解決を選ぶ作者へと変わる。
三宅 直子「盗まれた私の絵です。止めて、取り戻します。」
◆ s08(5秒)
ト書き:信夫は額の正面、画面外にいる。額の右脇にいる直子が灰色の布をかけ、白い画布を完全に隠す。覆い終えた瞬間、呼吸音が止まる。
◆ s09(5秒)
ト書き:直子が布を引き外して床へ落とす。白かった画布には信夫が同じ髪と服で取り込まれている。店内に立つ信夫はいない。信夫の顔は普通のままだが、身体は平らな画布の絵になっている。
黒田 信夫「絵になるのは、俺のほうか。」
◆ s10(5秒)
ト書き:感動の山: 怖さ。額の縁と画布の質感を残した信夫の寄り。冒頭の呼吸音が短く鳴り、額の内側で止まる。低い効果音を一撃。決め台詞の後は口を閉じ、最後の2秒を無音にする。
黒田 信夫「息まで、絵にされた。」
◆ s11(5秒)
ト書き:直子が信夫の入った額を固定棚から持ち上げる。布は床に残る。信夫は口を閉じた平らな絵のまま、直子に持たれる。額が棚から完全に離れた最後のコマで終える。題名は上部の余白に表示する。
テロップ:[掃除係はなぜ店主を絵に近づけたの?]
三宅 直子「盗んだ絵を返して。あなたごと。」