『毎朝の一輪、その花の届け先は』第1話「毎朝の一輪、その花を届ける人』
——朝の花屋
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悠人がカウンターで一輪の花を差し出す。
藤本 悠人「これ、毎朝ください」
藤本 悠人「一週間前まで、毎朝」
藤本 悠人「母に、届けてたんです」
志帆は驚き、元恋人だと気づく。
青木 志帆「悠人さん、まだこの店に…」
青木 志帆の声が響いた。「元恋人なの」
志帆は自分への花だと思い、胸を高鳴らせる。
青木 志帆の声が響いた。「もしかして、私に…?」
志帆が問い詰め、悠人は母の頼みだと答える。
青木 志帆「毎朝なんて、どうして?」
藤本 悠人「母の頼みなんだ」
志帆は意味が分からず首をかしげる。
青木 志帆「お母さんの…?」
常連客の澄江が入ってきて、母の死を告げる。
青木 志帆「あ、澄江さん、いつもの常連さん」
野々村 澄江「あのね、志帆さん。悠人さんのお母さんが」
野々村 澄江「一週間前に亡くなったのよ」
志帆は息をのむ。
青木 志帆「そんな…知らなかった」
悠人がポケットから注文票を差し出す。
藤本 悠人「これが、母の注文票」
注文票の手書きの文字に志帆が気づく。
青木 志帆「毎朝一輪を、病室に…」
青木 志帆「お母さんの字だ。私への花じゃ、なかったんだ」
悠人が本当の理由を言い切る。
藤本 悠人「母が亡くなるまで、毎朝届けてたんだ」
藤本 悠人「病室の窓辺に、僕が届けてた」
志帆が涙をこらえて花を包み直す。
青木 志帆「明日からも、包ませてください」