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『MY IDOL HATES ME』第1話「嫌いだ」(動画版) ・ AI BunCho 公式

第1話第1話:小説版(ノベライズ本編)

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2026/10/24 公開・1,046字

『MY IDOL HATES ME』第1話「嫌いだ』

——蓮(9人組アイドルの新センター)

────────────────────────

レンズのような光る円が黒レースの掌で消える。次の瞬間、掌の向こうに蓮の片目。海が壁の施設カメラと蓮の間に一歩入ったことだけ見せる。/布の擦れる音と吸う息。音楽なし。

掌を下げる。海のコバルトブルーと蓮の黒髪を同時に見せる。海は蓮の目を見ず、壁のレンズの向きへ声を向ける。/空調の低音。言葉のあと半秒、無音感。

海「嫌いだ。」

蓮「昨日も、そう思ってた?」

蓮の笑みが消える。視線は海の目から、頬に落ちた青い毛先へ。追いかける一歩を足元で止める。/遠いスタッフの足音のみ。

蓮「二人の時と、顔が違う。」

海「ここで、俺に近づくな。」

海の視線が上に一度だけ動く。施設カメラの小さな状態灯。海はレンズから蓮を体で隠したまま、銀ブローチの留め具を閉じる。/留め具の小さな金属音。

蓮「俺がセンターだから?」

海「声を落とせ。まだ撮ってる。」

蓮のリボン中央が一時空いている。海が銀ブローチを差し出す。蓮は奪わず、右掌を開いて受け取る。/衣装の布音。外からリハーサル開始の短いベル。

蓮「これを返すために、呼んだの?」

海「落とすな。裏も見ろ。」

ブローチが蓮の掌に落ちる。海の黒い手袋は掌の下に添えるだけ。蓮が一度うなずいて指を閉じ、海は触れずに引ける余地を残す。/銀が爪に触れる音。台詞は小声。

蓮「俺を見て、もう一度言って。」

海「今は、言えない。」

初めて海が蓮の目を見る。蓮はブローチを握ったまま海の手を追いそうになり、自分で止める。海は息を飲み、出口へ体を向ける。/足音が一歩、止まる。音楽は入れない。

蓮「嫌いなら、なぜ手が震える?」

海が扉を開ける。基準画像と同じ手だけに黒い手袋があることを維持。廊下の固定カメラが扉の先に見える。海は振り返らず、声だけを残す。/蝶番の音。海の声は廊下の反響を少し付ける。

海「俺の言葉より、自分の目を信じろ。」

蓮「海。待って。」

海は画面外。蓮は呼び止めた口を閉じ、カメラを見上げる。右掌を胸の前に上げ、ブローチを親指と人差し指でゆっくり裏返す。/去る足音。蓮の呼吸が落ち着く。

蓮「俺に、何を見つけてほしい?」

銀の内側に手彫りの317。電子部品はない。数字に焦点が合った瞬間、蓮の指が止まる。最後の2秒は番号を読ませ、暗転。/金属を擦る音を一度。低い単音が鳴って切れる。

蓮「3、1、7……。」

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