『私を捨てた夫が、私の会社に面接に来た』第2話「浮気相手から、元妻に電話が来た』
——その夜・健太と梨花のアパート
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第1話の面接の夜、健太と梨花のアパート。帰ってきた健太の目の前に、梨花がお腹の赤ちゃんのエコー写真を突きつける。
佐藤 梨花「見て。お腹の赤ちゃんの写真よ。」
高橋 健太「……これが、赤ちゃんか。」
梨花が「仕事は決まったの?」と聞く。健太は目をそらし、面接に落ちたと白状する。
佐藤 梨花「それで、仕事は決まったの?」
高橋 健太「……落ちた。」
健太は「面接官は元妻の美咲で、仕返しに落とされた」と梨花に嘘をつく。梨花が驚く。
高橋 健太「面接官は、元妻の美咲だったんだ。仕返しに決まってるだろ!」
佐藤 梨花「元妻が、面接官……!?」
怒った梨花がエコー写真を机に置き、健太の手からスマホを取り上げる。梨花は画面の「美咲」の名前を指さして見せてから、その番号に自ら電話をかける。
佐藤 梨花「元妻の番号、まだスマホに入ってるでしょ。」
高橋 健太「おい、やめろ!」
*
同じ夜、美咲の会社のオフィス。残って仕事をしていた美咲のスマホが鳴る。かけてきたのは、浮気相手の梨花だった。梨花が名乗り、美咲が応じる。
高橋 美咲「……はい、高橋です。」
佐藤 梨花の声が響いた。「浮気相手よ。梨花。」
梨花が電話で「仕返しで落としたんでしょ」と責める。美咲は落ち着いて、採用を決めるのは人事部長で、自分は面接を担当しただけだと答える。
佐藤 梨花「あなた、仕返しで健太を落としたんでしょ!」
高橋 美咲「いいえ。最終的に決めるのは、人事部長よ。私は、面接を担当しただけ。」
健太の上司だった中村部長が、自分の席からそばに来る。美咲は、応募者が元夫だと分かってすぐ会社に知らせたと話し、スマホを部長に渡す。
高橋 美咲「中村部長。」
高橋 美咲「元夫だと分かって、すぐ会社に知らせたわ。」
高橋 美咲「中村部長、お願いします。」
中村部長が電話に出て、健太を不採用にしたのは面接の録画を見た自分だと、はっきり伝える。話し終えるとスマホを美咲に返し、美咲はそのまま耳に当てて通話を続ける。
中村 浩二「中村です。健太さんを不採用にしたのは、面接の録画を見た私です。」
*
アパートに戻る。梨花はスマホを耳に当てたまま、健太の面接の何がダメだったのかを美咲に聞く。美咲は、面接の中身は本人にしか話せないと答える。
佐藤 梨花「もしもし、まだ聞いてます。」
佐藤 梨花「じゃあ、面接の何がダメだったんですか?」
高橋 美咲の声が響いた。「面接の中身は、本人にしか話せないの。」
梨花が健太に向き直り、「面接で何て答えたの?」と問い詰める。健太は答えられない。
佐藤 梨花「ねえ。面接で、何て答えたの?」
高橋 健太「そ、それは……」
梨花は、答えられない健太を見て、自分の答えがダメで面接に落ちたのだと気づく。仕返しで落とされたという話は健太の嘘だった。
佐藤 梨花「部長が録画を見て決めたって、そういうこと……録画を見たなら、答えも見てるってことよ。仕返しじゃないでしょ。自分の答えがダメだったのよ。」
高橋 健太「う、うるさい!」
梨花が電話の美咲に、明日のお昼に会社のロビーへ行くと告げる。そばで聞いていた健太は青ざめ、美咲に会わせたら全部バレるとつぶやく。
佐藤 梨花「明日のお昼、会社のロビーに行きます。」
高橋 美咲の声が響いた。「……分かったわ。」
佐藤 梨花「じゃあ、明日。」
高橋 健太「美咲に会わせたら……全部バレる。」