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『契約は一年、恋は禁止』第1話「結婚相手は、8年前に消えた元カレでした」(動画版) ・ AI BunCho 公式

第1話第1話:小説版(ノベライズ本編)

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2026/10/24 公開・1,769字

『契約は一年、恋は禁止』第1話「結婚相手は、8年前に消えた元カレでした』

——署名の後

────────────────────────

豪華なペントハウスのデスクで、汐里(26)が署名を終えた「契約結婚同意書」から顔を上げる。窓辺に立つ男がゆっくりと振り返り、その横顔に汐里の目が見開かれる(テロップ:契約結婚の相手は、久世都市開発の社長・久世湊さん)。

白川汐里の声が響いた。「祖父の時計店を守るため、明日で取り壊されるのを止めるために。1年限りの契約結婚をします。相手は久世都市開発の若き社長、久世湊さん。この人と、署名を交わしたら……。」

レトロな白川時計店。法務仲介人の千景が汐里に、店舗の正面に貼られた赤い立ち退き通知を指さして告げる。「会社が、このお店を明日壊すと決めました。止める方法はひとつ。社長と結婚して、ここを二人の家にすれば、1年は壊せません」。千景は会社定款フォルダーを小脇に抱えている。

藤代千景「私は藤代千景。会社とあなたの間に入る、法務の仲介人です。」

藤代千景「会社が、このお店を明日壊すと決めました。」

藤代千景「止める方法はひとつ。この店を社長の住む家にすれば、1年は壊せない決まりなんです。」

藤代千景「社長と結婚して、ここで一緒に住むんです。会えるのは署名の後です。」

藤代千景「この契約書にサインして。定款の特例は、このフォルダーの中にあるわ。」

白川時計店の中で、汐里(26)は亡き祖父の形見の懐中時計を片手でそっと包み込み、1年間の契約結婚を受ける決意を固める。祖父が遺した時計と、8年前に別れた人へ贈ったペアウォッチの記憶がよぎる。

白川汐里の声が響いた。「お祖父様の時計店が守れるなら……社長さんに直接会って契約します。」

白川汐里の声が響いた。「この懐中時計……お祖父様が大切にしていた、この店の証。」

白川汐里の声が響いた。「……8年前、湊に贈ったペアウォッチとお揃いの時計。あの人は今、どこで……。」

久世都市開発のペントハウス社長室。全面ガラス窓の前に背を向けて立つ新郎の顔を見ないまま、汐里はデスクの「契約結婚同意書」に署名する。

白川汐里「その夜……」

白川汐里「千景さんから預かった契約書はここに。社長さんは……約束どおり、署名の後に顔を見せてくれるのね。」

長身の若き社長・久世湊(28)が窓際でゆっくりと振り返り、その顔がはっきり見える。汐里は8年前に消えた元カレだと気づく。

久世湊「俺だ、湊だ。……久しぶりだな、汐里。」

久世湊「8年前、時計店を守るために戻ってきた。今度こそ、お前を守り抜く。」

汐里は息を呑み、8年前に急にいなくなった元カレの湊が結婚相手であることに驚愕する。

白川汐里「湊……!? どうして!? 8年前、急にいなくなったのに、なんで今さら元カレがここに!?」

湊が一歩近づき、ガラスのデスクの上に契約の「別紙条項」を置いて、時計店の1年間取り壊し凍結と引き換えの絶対条件を告げる。汐里の手元には万年筆が置かれている。

久世湊「取締役会の連中から時計店を守るには、この特例を使うしかなかった。」

久世湊「取締役会は、社長が私情で会社を動かすことを恐れている。だから、この別紙で『感情で判断しない』と誓わせる。」

久世湊「この定款の特例と、この別紙があって、ようやく店は残せる。」

湊が別紙の第3条を指で示す。「契約期間中、互いに恋愛感情を持つことを禁じる。取締役会がそう条件を付けた。破れば即座に時計店を取り壊す」

久世湊「第3条、契約期間中、互いに恋愛感情を持つことを禁じる。」

久世湊「取締役会の条件だ。」

汐里はプライドを持って湊を真っ直ぐに睨み返し、8年前に自分を捨てた人を二度と好きになることはないと宣言する。

白川汐里「望むところよ。あんたのことなんか、二度と好きにならない!」

汐里が去った後、湊は右の袖口をずらし、右手首の傷だらけのペアウォッチを見つめる。「……あの日の時計だ。今度こそ、お前を守り抜くために戻ってきた」

久世湊の声が響いた。「あの日のペアウォッチ……」

久世湊の声が響いた。「……8年前、汐里がくれたペアウォッチだ。今度は守るために戻ってきた。」

久世湊の声が響いた。「ここから一年、店で一緒に暮らす。」

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