『妹の部屋に毎晩届く私の声、そのわけ』
——真夜中・姉の家/妹の美和
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美和が布団から飛び起き、隣の部屋の方を向いて驚く。テロップで妹の美和と分かる。
佐伯 美和「今、私の声で「おはよう」って…隣の部屋から」
姉の春香が隣の部屋から襖を開けて入ってきて、落ち着かせようとする。
佐伯 春香「びっくりした?姉の春香だよ。録音しておいたの」
美和がスマホの録音一覧を確かめるが、何も残っていない。
佐伯 美和「私のスマホには、録音なんて残ってないよ?」
春香が古いボイスメモの画面を差し出し、美和がのぞき込む。
佐伯 春香「お母さんが残した声なの。私のスマホから移したのよ」
美和が目を丸くして、母が三年前に亡くなったことを口にする。
佐伯 美和「お母さん、三年前に亡くなったよね」
春香が画面の日付を指さし、一覧が三年前で止まっていると明かす。
佐伯 春香「日付は、全部三年前で止まってる」
春香が『毎晩あなたを起こす声を残した』と言い切り、静かな間。
佐伯 春香「お母さんは、毎朝あなたを起こす声を残した。あなたの声、そっくりでしょ」
美和の目から涙がこぼれ、母の声を聞いたのだと分かる。
佐伯 美和「お母さんの声、毎晩届いてたんだね」
春香が隣の部屋の襖を開け、奥に古いボイスメモが並んでいるのが見える。
佐伯 春香「毎晩、ここで流してるの」
美和が春香に礼を言い、二人が並んで立って静かに終わる。
佐伯 美和「ありがとう。明日も、起こしてね」