『新人の私は帰れる?店長の条件は目を1回も閉じないこと』
——閉じたら負け
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佳織は帰りたいのに、店長の目の勝負を断れない。初秒は「閉じたら負け」。名前と場所はその後に表示する。
杉本 邦夫の声が響いた。「帰るなら、目の勝負に勝って。」
前田 佳織「帰りたいだけです。」
邦夫が目の勝負の決まりを告げる。まだ勝負は始めていない。
杉本 邦夫「目が合って、先に目を閉じた方は」
杉本 邦夫「相手に一生従う。」
佳織は勝負の前に目を休ませてほしいと頼む。作業台には灰色の掃除布が置かれている。
前田 佳織「始める前に、目を休ませて。」
由美は佳織を見つめ、勝負ではないと言って目を休ませる。柔らかな口調だが、目は開け続けている。
平野 由美「私を見て。私とは勝負じゃない。」
平野 由美「目、休めていいよ。」
佳織は由美と目を合わせ、安心して目を閉じる。この瞬間に由美に負けるが、本人は気づかない。
目を開け直した佳織が店長へ向き直る。勝負開始の声のあと、佳織が息を吹きかけ、邦夫は反射で先に目を閉じる。
杉本 邦夫「では、始め。」
佳織の命令で、邦夫は後方右の出口を開ける。最後のコマで扉は開き切り、邦夫はその左脇に立つ。
前田 佳織の声が響いた。「出口を開けて。」
杉本 邦夫「はい。」
佳織は作業台から後方右の出口へ歩き始めるが、由美の「止まって」で店内に止まる。邦夫は開いた扉の左脇にいて画面外。
平野 由美の声が響いた。「止まって。」
由美は開け続けていた目を佳織へ向け、休息の正体が勝負だったと明かす。
平野 由美「目を休めた時、私に負けたの。」
怖さの山: 佳織は開いた出口を見つめるが動けない。決め台詞の後は口を閉じ、無言の間を残す。
前田 佳織「帰りたいのに、足が動かない。」
由美は店長と帰ると告げ、自分の仕事を全部命じる。画面外で由美と邦夫が後方右の開いた出口から退店し、二人分の足音が遠ざかる。出口は開いたまま、佳織だけが店内に残り、灰色の掃除布で作業台を拭き始める。親切の目的と今回の敗北が確定する。
平野 由美の声が響いた。「店長と帰るね。私の仕事、全部よろしく。」