『友人の忘れ物だと思った枕が、なぜ私のベッドの下に?』
——ベッドの下に枕?
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夜の寝室。真由がベッド脇で膝をつき、下にある灰色の枕をのぞく。枕は床に置かれたまま。真由は返された真鍮の合鍵を持っている。最初の字幕は冒頭から表示する。
林 真由「この枕、捨てるよ。誰の?」
同じ夜、ベッドの右側に立つ文乃。真由は画面外の左下にいる。文乃の持つ銀色の鍵は画角の下にあり、まだ見えない。文乃は友人として遊びに来たことと、合鍵を返したことを口にする。字幕でも名前と関係、訪問中であることを示す。
上野 文乃「友達の家に遊びに来ただけよ。合鍵は返したでしょ。」
真由は同じ位置で膝をついたまま、返された真鍮の合鍵を持って枕を見る。字幕で題名の問いをそのまま出す。
林 真由「うん。でも、この枕は私のじゃない。」
文乃は右側に立ったまま、枕を残すよう頼む。低い位置に持つ四角い頭の銀色の鍵を、この画角でさりげなく見せる。左下で枕を見ている真由には見えていない。
上野 文乃「その枕は、そこに置いておいて。」
文乃が、真由の寝返りでベッドが鳴ることを平然と言う。銀色の鍵は持ったまま画角外。
上野 文乃「寝返りのたび、ベッドが鳴るでしょ。」
真由が初めて枕から顔を上げ、右上にいる文乃を見て尋ねる。真鍮の合鍵は持ったまま画角外。
林 真由「なんで私の寝返りの音、知ってるの?」
文乃は以前泊まったときの枕だと説明する。これでいったん普通の忘れ物に見える。位置も持ち物も変わらない。
上野 文乃「私の枕。前に泊まったとき、隠したの。」
真由は右上の文乃を見たまま、古い忘れ物だと受け取る。恐怖にはまだ至らず、眉の力が少し抜ける。
林 真由「忘れ物か。じゃあ、持って帰って。」
怖さの山: 文乃が、合鍵を返した後も毎晩ベッドの下で寝ていたと明かす。決め台詞は冒頭の約3秒で終え、その後は口を閉じて2秒の無音。台詞の終わりに低い効果音を一撃だけ入れ、音楽も止める。
上野 文乃「鍵を返したあとも、毎晩下で寝てた。」
文乃が、それまで低く持っていた銀色の鍵を見える高さに上げる。鍵を返したのに入れた理由を言い切る。文乃は真由を見ている。
上野 文乃「返す前に、別の鍵を作ったの。」
真由が右上の鍵から視線を落とし、ベッドの下の文乃の枕を見る。口は閉じたまま。文乃の画面外の声で、目的と待ち方を説明する。最後は枕と固まった真由が同じ画面に残り、忘れ物ではなく毎晩の寝床だった意味で閉じる。
上野 文乃の声が響いた。「そばにいたくて。寝るまで下で待ってた。」