『休憩を消す、多数決』
——泉・店の新人スタッフ
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無言の先行hook:責任者が閉じた弁当を抱えた泉の前の机へ投票用紙を置く。泉は弁当を手に持ったまま立っている。(冒頭では発話しない)。
責任者が弁当の横へ投票用紙を置く。泉が不安げに閉じた弁当の横に立つ。
高田「店長の高田です。一人だけ休憩なしを、投票で決めよう。」
泉「私の休みがなくなるの?」
新人が責任者から受け取った用紙を高く掲げる。
泉「忙しい人が、選ばれるんですか。」
同僚が泉の手元の弁当に目を落とす。
高田の声が響いた。「みんなが泉さんに入れれば、泉さんが休憩なしだ。澪さん、泉さんは新人だ。」
責任者が三枚の用紙を並べる。
高田「みんなが決めれば、公平だ。」
泉が机の自分の白紙を取り、何も書かずに高田へ返す。高田は白紙と泉の顔を見比べ、気まずそうに手を止める。
高田は返された白紙を見つめ、机に残る二枚も集める。泉を見て、自分の提案が間違いだったと認める。
高田「その白紙で気づいた。休みを多数決で奪わない決まりだ。」
泉は弁当を机へ置く。高田も三枚の白紙をひとまとめにして机へ置く。
泉「私の休む時間は、いいんですか。」
澪が机の三枚の白紙をひとまとめに持ち上げ、一番上の一枚を裏返す。泉がその手元を見る。
澪「澪も、これまで黙って誰か一人に休みを我慢させてた。でも、決めるなら早いほうがいい。」
画面外の澪が三枚を机へ戻し、高田がまとめて回収する。高田は泉が返した白紙を一番上にし、泉を見て投票をやめると告げる。言い終えてから一秒以上、泉のほっとした表情を無言で見せる。
高田「投票はやめよう。休みは、誰からも奪わない。」
新人が机の周りの椅子を整える。
泉「十分だけ店を閉めて、順番に休むのは?」
澪は何も持たず、泉にうなずいて、閉店中の案内を考えると申し出る。
澪「閉める間の案内、私が考える。」
三人が同じ机を囲み、新人が弁当を開ける。
高田「まず、弁当を開けよう。」