『嘘つきは選ばれない』第2話「泥棒にされた朝、ルールで逆転』
——合宿2日目の朝
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合宿2日目の朝、第1レッスン室。シエナがアイヴィの練習バッグから銀のブレスレットを引き抜き、高く掲げて叫ぶ。
シエナ・ヴァンス「泥棒! 私のブレスレット、あなたのバッグに入ってた!」
アイヴィ・シンクレア「……そんなの、見たこともない」
騒ぎを聞いたダンストレーナーのダナ・レイエスが入ってくる。シエナはアイヴィを指差して訴え、アイヴィは首を横に振る。
ダナ・レイエス「何の騒ぎ?」
シエナ・ヴァンス「レイエス先生、アイヴィが私のブレスレットを盗んだんです」
アイヴィ・シンクレア「盗んでいません」
ノラが勇気を出して割って入る。その後ろで、シエナの取り巻きのジェイド・モレノが目を伏せ、手の中の小さなメモを握りしめる。
ノラ・ベル「アイヴィは、そんなことしない!」
アイヴィがレイエスに向き直り、合宿ルールを確かめる。レイエスはルールをそのまま読み上げる。
アイヴィ・シンクレア「先生。合宿ルールに、アクセサリーのことがありましたよね」
ダナ・レイエス「アクセサリーの持ち込み禁止。それが何?」
アイヴィがシエナの手のブレスレットを見つめて言い切る。自分で「私のブレスレット」と言った以上、違反しているのはシエナの方。シエナの顔から血の気が引く。
アイヴィ・シンクレア「さっき「私のブレスレット」って言ったよね」
アイヴィ・シンクレア「持ち込んだのは、あなた。違反してるのも、あなた」
レイエスがシエナの手からブレスレットを取り上げて没収する。シエナはしどろもどろになる。
シエナ・ヴァンス「ち、違う、今のは……」
ダナ・レイエス「シエナ、これは没収。今日のセンターから外します」
レイエスがアイヴィを指名する。今日のセンターはアイヴィ。ノラがアイヴィの隣へ駆け寄って手を取る。
ダナ・レイエス「今日のセンターは、アイヴィ」
ノラ・ベル「アイヴィ、すごい!」
レッスン後、宿舎の廊下。先に出ていたジェイドが、すれ違いざまにアイヴィの手に折りたたんだメモを押し込み、目を合わせずに背を向ける。アイヴィがメモを開く。
ジェイド・モレノ「……ごめん」
同じ頃、スタッフ控室。合宿マネージャーのグラント・マーサーが、スマホで誰かに頭を下げている。
グラント・マーサー「ヴァンス会長、ご安心を。お嬢さんは必ずデビューさせます」