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『MY IDOL HATES ME』第12話「九人の名前」(動画版) ・ AI BunCho 公式

第1話第1話:小説版(ノベライズ本編)

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2026/10/24 公開・1,288字

『MY IDOL HATES ME』第12話「九人の名前』

——律(グループのリーダー、蓮の仲間)

────────────────────────

都の一本のペンの横に、仲間が八本を並べる。九枚のカードが同じ向きで揃う。/ペンを置く音が重なって一音に。

律「九人だ。」

律は『立替記録』、凪は『同意済原音』の欄に丸をつけ署名する。白いカードは一人一枚で取り違えない。/ペン先の音と落ち着いた声。

律「俺は、立替の記録を出す。」

凪「俺は、原音を。」

レオは『受領署名の経緯』、ユウは『本人宛費用請求』を選ぶ。レオはユウの書く手に触れず待ち、ユウは最後まで自分で書く。/台詞の後に短い一呼吸。

レオ「俺は、白紙に書いた署名を。」

ユウ「請求のことは、俺が話す。」

伊織は書く側の手袋だけを一時的に外し、『振付の作者記録』を選択。セナは『情報管理設計への関与』を選び、余白へ関与範囲を書く。/手袋を机へ置く柔らかな音。

伊織「振付に、俺の名を戻す。」

セナ「俺が作った仕組みも、調べて。」

晴は『音声編集と予約操作』、海は『強制された報告』に丸をつける。海は私的画像の欄に触れず、共通の『私的画像を除く』を晴に見せる。/取消済みの端末通知音は鳴らさない。

晴「編集も予約も、俺が説明する。」

海「監視の報告は、俺が証言する。」

蓮が『本人音声の編集被害』を選び最後の署名。汐が九枚の枚数と公開範囲を確認して撮影。受付専用画面へ資料複製・同意書・受渡記録を添付し、送信する。P02原本とP03監査用写しの現物二点は机の保管袋に残る。/送信クリックは最後の台詞が終わってから。

蓮「公開は、俺たちが選ぶ。」

汐「私的な写真は含めない。送るよ。」

受付番号が発行される。汐は画面を九人に示す。皆は歓声を上げず、やっと肩を落とす。ユウだけがまだ机の家族宛て封書を見ている。/控えめな受信音。周囲の呼吸が緩む。

ユウ「家族への請求は?」

汐が『調査中の請求・家族への督促を保留』の確認欄を示す。都は迷ってから権限者として記名。律は更新契約へ署名せず『第三者同席で再交渉を希望』と別紙に記す。晴の端末は取消済のまま、今夜の運用を汐の立会いで終了する。/都のペン先が止まり、再び動く音。

汐「支払も家族への連絡も、調査まで保留を。」

都「調査中は保留。契約は、まだ残る。」

海が手袋の掌を上向きに差し出し、触れる前に尋ねる。蓮が返事をして自分からその手を取る。二人の奥で、ユウが初めて力の抜けた笑顔を見せ、残る仲間もそばに留まる。恋愛映像は作品の観客だけが見る私的場面で、劇中配信には載らない。/客席の拍手は扉越し。二人の声は小さく近い。

海「手、つないでいい?」

蓮「うん。もう『嫌い』って言うな。」

受付窓口から追加照会が届く。画面の大きな文字は『別会場にも同じ番号/HK-1042/照合を続けます』。汐が律へ画面を向ける。律は自分一人で握り込まず、セナとユウにも見える向きへ回す。文字を少なくとも四秒読ませて終える。/一度の受信音。音楽は入れず、最後に九人の足音が同じ方向へ一歩。

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