『捨てた指輪を、彼はまだ持っていた』第1話「捨てた指輪を、彼はずっと持っていた』
——同窓会の夜
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亮太がテーブルに湿った指輪を置き、千夏が息をのむ。
水森 千夏「この指輪、捨てたはず…」
亮太が静かに「ずっと持っていた」と言う。
小瀬 亮太「あの日、川で拾って、ずっとポケットに入れていた」
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三年前の夕方、千夏が川岸から指輪を投げる。
水森 千夏の声が響いた。「これで、私から終わりにする」
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千夏が問い詰めると亮太が拾った経緯を話す。
水森 千夏「なんで、今さら」
小瀬 亮太「あの日、川で拾った」
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千夏が去った後、亮太が川へ入って指輪を拾う。
小瀬 亮太の声が響いた。「あの日、川で拾った」
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千夏は「別れのつもりだった」と打ち明ける。
水森 千夏「あれは、別れのつもりだった」
亮太が「やり直すつもりで拾った」と返す。
小瀬 亮太「俺は、やり直すつもりで拾った」
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三年前の川岸、千夏が階段を上って去り、亮太が川へ降りる同じ景色。
水森 千夏の声が響いた。「同じ日、同じ川で、別々の方向へ」
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亮太が指輪を差し出し、千夏が受け取る。
小瀬 亮太「今度は、返さなくていい」
千夏が指輪を握ったまま微笑み、亮太も笑う。同じ意味だったと閉じる。
水森 千夏「捨てたんじゃ、なかったんだ」