『彼が昨日編んだマフラーを、私はほどき始めた』
——なぜほどく?
────────────────────────
沙織がマフラーの端から毛糸を引く。直樹には拒絶に見える。冒頭字幕のあと、名前と関係を表示する。
林 直樹の声が響いた。「着けてほしくて編んだのに!」
林 直樹の声が響いた。「なんでほどくの?」
直樹が、昨日初めて編んだ贈り物だと話す。沙織は画面外でマフラーを持ったまま。
林 直樹「昨日、初めて編んだんだ。」
沙織がマフラーを見やすい高さに上げ、端に近い飛び出した輪を見る。題名の問いを上部に表示する。
松井 沙織「ここ、輪っかが飛び出してる。」
直樹は沙織の指摘を批判と受け取り、ほどくことしかできないと決めつける。
林 直樹「ほどくだけなら、誰でもできるよ。」
沙織はマフラーを持ったまま、机にある直樹の編み針を取る。
松井 沙織「この編み針、借りるね。」
直樹はこれ以上傷つきたくなくて、マフラーを回収して捨てると言う。実際には受け取らない。
林 直樹「じゃあ、返して。捨てるから。」
沙織はマフラーを返さないと決め、直樹を見てから編み直しを始める。細かな針先ではなく、本人の顔を主役にする。
松井 沙織「待って。これは捨てさせない。」
編み直しに10分が経過。沙織が直したマフラーを持ち上げる。飛び出した輪とほどけた端はなくなり、編み針は机に戻っている。
松井 沙織「おばあちゃんに編み直しを習ったの。」
感動の山: 沙織が直樹をまっすぐ見て、ほどいた理由を伝える。台詞のあと、口を閉じたまま2秒待つ。音楽はここだけ温かく膨らむ。
松井 沙織「ほどいたのは、ずっと使いたいから。」
直樹が決めつけを謝る。真相や結論は言い直さず、緊張がほどける表情を見せる。
林 直樹「決めつけて、ごめん。」
沙織が直したマフラーを首に掛ける。端が胸元に落ち着き、直樹を見て口を閉じたままほほ笑む完成状態で終わる。