【公式映像脚本】『商店街のカラスと赤い髪どめ』
キャッチコピー:雨の日になくした赤い髪どめが、翌朝、店のシャッターの前に置いてあった。
■ あらすじ
雨の夕方、あかね通り商店街で、豆腐屋の娘が赤い髪どめを落として泣きながら帰る。電線の上から見ていたカラスのクロが、水たまりから髪どめを拾い上げる。翌朝、まだ閉まった豆腐屋のシャッターの前に、髪どめと一枚の銀杏の葉が並んで置かれていた。
■ 登場人物
・クロ(カラス)(主人公):尾羽が1枚だけ少し曲がった艶やかな黒羽のカラス。毎朝豆腐屋のおからをもらっている。
・ひなた(豆腐屋の娘(8歳)):赤い髪どめを大切にしている小学生の少女。
■ チャプター構成
[00:00] 雨の商店街
[00:06] 電線の上
[00:12] 拾い上げる
[00:19] 夜明け
[00:26] シャッターの前
[00:33] 見つけた
■ 本編カット割り台本
◆ Cut-01(6秒)
ト書き:雨が降りしきる夕暮れのあかね通り商店街。黄色いレインコートを着た豆腐屋の娘・ひなたが駆け抜ける拍子に、髪から赤い髪どめが滑り落ちて水たまりに沈んだ。
ナレーション「夕方 あかね通り商店街」
◆ Cut-02(6秒)
ト書き:商店街のアーケードを見下ろす濡れた電線の上で、一羽のカラス・クロが黒い瞳でその水たまりをじっと見つめていた。
◆ Cut-03(7秒)
ト書き:人影が途切れた雨の舗道に舞い降りたクロは、ネオンが映る水たまりから、傷つけないようにくちばしでそっと赤い髪どめを拾い上げた。
◆ Cut-04(7秒)
ト書き:雨上がりの朝靄が漂う早朝の商店街。まだシャッターが閉まった豆腐屋の軒先へ、クロが静かに滑空して降り立つ。
ナレーション「翌朝」
◆ Cut-05(7秒)
ト書き:コンクリートの戸口の中央に、拭われたように綺麗な赤い髪どめと、黄金色の銀杏の葉が一枚、行儀よく並べて置かれていた。
◆ Cut-06(7秒)
ト書き:勝手口から出てきたひなたがそれを見つけてぱっと顔を輝かせる。見上げた朝空の屋根の上で、クロが一度だけ優しく鳴いた。