『夫にクビにされた私、夫の会社の持ち主でした』第1話「妻をクビにした夫』
——妻をクビに
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月曜日、メリディアンの会議室。最初のフレームから夫ダニエルと妻エマの顔、解雇通知書を渡す手を同時に見せる。ダニエルがエマへ通知書を押し付け、「クビだ!」と言い切る。最初の一秒の字幕は「妻をクビに」のみ。一秒後、ダニエル本人の顔のすぐ下に「ダニエル/エマの夫・メリディアン社長」を三秒間表示する。ヴァネッサは同室にいるが画面外。
ダニエル・リード「クビだ! 妻のお前でもな!」
月曜日のメリディアンの会議室。社員たちが見守る中、エマは冒頭からダニエルに仕事を続けたいと告げる。ダニエルはヴァネッサが恋人だと明かす。エマ、ヴァネッサの英語紹介を、それぞれの顔のそばに四秒ずつ順に表示する。
エマ・ヘイル「ダニエル、私はあなたの妻よ。仕事を続けたいの。」
ダニエル・リード「ヴァネッサは俺の恋人だ。」
エマが一緒に会社を育てる約束を問う。ダニエルはエマをクビにする通知書を指し、社長の立場を盾にする。
エマ・ヘイル「一緒に会社を育てる約束は?」
ダニエル・リード「俺が社長だ。お前はクビだ。」
ヴァネッサがダニエルの腕を取り、勝ち誇る。エマはエマをクビにする通知書を自分の前のテーブルに置く。ダニエルは、エマとの婚姻中にヴァネッサと付き合っていたことを社員たちの前で認める。
ヴァネッサ・コール「ダニエルが、あなたのオフィスを私にくれるって。」
エマ・ヘイル「私と結婚しているのに?」
ダニエル・リード「前から付き合ってた。みんなにも知らせる。」
ダニエルが不倫を公表する。周囲の社員が息を呑む。
ダニエル・リード「彼女を愛してる。お前とは別れる。」
エマ・ヘイル「夫のあなたが、不倫を公表して私をクビにするのね?」
ダニエル・リード「そうだ。」
ダニエルが、自分の前のテーブルにあったエマの私物の箱を、エマの前へ滑らせる。ヴァネッサが、夫も仕事も失うとエマをあざ笑う。
ダニエル・リード「クビだから出ていけ。荷物はここだ。」
ヴァネッサ・コール「かわいそうなエマ。夫もいない、仕事もない。」
エマは声を荒げず、エマの私物の箱を自分の横の床へ置く。スマホの入った上着のポケットに触れ、自分がただの社員だと思っているのか尋ねる。
エマ・ヘイル「社長なら何をしてもいいと思ってるの?」
ダニエル・リード「ああ、俺が決める。」
エマ・ヘイル「私がただの社員だと思ってるの?」
エマがメリディアンの持ち主を尋ねる。ダニエルは、ノーススターがメリディアンの議決権60%を持ち、エマの父が作り、今は弁護士が管理していると答える。
エマ・ヘイル「ダニエル、メリディアンの持ち主は誰?」
ダニエル・リード「ノーススターだ。メリディアンの議決権60%を持ってる。お前の父が作って、今は弁護士が管理してる。」
エマが、先ほど触れたポケットからクリーム色のケースのスマホを取り出す。ノーススターを管理する人ではなく、所有する人を尋ねる。
エマ・ヘイル「管理する人ではなく、ノーススターの持ち主は?」
ダニエル・リード「持ち主は知らん。弁護士に任せてる。」
エマは、ただの社員ではない証拠としてスマホのノーススター所有者記録を見せる。唯一の所有者がエマであると示し、父から八年前にもらったと本人の声で説明する。証拠説明として淡々と進める。
エマ・ヘイル「ノーススターの唯一の所有者は私。父が八年前、私にくれたの。」
ダニエル・リード「何だと?」
エマが、先ほど説明された二社のつながりを示し、ノーススターを通じてメリディアンの議決権60%を握ると明かす。ヴァネッサが嘘だと叫び、対立はまだ続く。エマはスマホを下げるが手に持ち続ける。
エマ・ヘイル「ノーススターを通じて、メリディアンの議決権60%を私が握ってる。」
ヴァネッサ・コール「嘘よ!」
エマはスマホを片手に持ち続け、もう片方の手で、自分の前に置いたエマをクビにする通知書をダニエルの前へ滑らせる。冒頭に渡された同じ一枚であり、ダニエルをクビにする新しい通知書ではない。セリフはない。
エマの。社長だからエマをクビにできると威張ったダニエルに、取締役会とは社長を選ぶ人たちであり、自分の議決権で替えられると説明する。決め台詞は一行「Now I decide.」。最後の1.5秒は無言で、ダニエルとヴァネッサが言葉を失う。ここで初めて音楽を盛り上げる。実際の取締役交代や社長のクビはまだ行わない。
エマ・ヘイル「取締役会は、社長を選ぶ人たち。私の議決権で替えられる。」
エマ・ヘイル「次は私が決める。」