『毎晩届く隣の物音、親切な隣人の本当の理由』第1話「毎晩の隣の物音、隣人の嘘』
——壁の向こうで、何が?
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冒頭、壁から大きな物音。由紀がびくっとして壁を叩くと、物音が止まる。一拍置いて、向こうから返事の二打が聞こえる。
萩原 由紀「何の音!? 真央さん、返事して…。」
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廊下で真央が由紀に『大丈夫、私も聞こえてる』と壁を叩く。
沢渡 真央「大丈夫、私も聞こえてる」
萩原 由紀「隣人の真央さん、ありがとう」
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由紀が廊下から自分の部屋に戻る。再び物音が聞こえ、由紀が壁を叩くと音が止まる。一拍置いて向こうから返事の二打が聞こえる。
萩原 由紀「今夜も返事が来た。」
由紀が思い切って隣の部屋を訪ねようと決める。
萩原 由紀「今夜こそ、真央さんに聞いてみよう。あの音のことを」
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真央のドアの前で由紀が物音について尋ねる。真央は隣の部屋の予備の鍵を見せ、一拍置いて由紀の部屋で話そうと誘う。
萩原 由紀「あの音は?」
沢渡 真央「隣の部屋の予備の鍵よ。話は由紀さんの部屋で。」
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由紀の部屋に戻り、真央がお茶を勧める。
萩原 由紀「毎晩の音が怖くて」
沢渡 真央「気にしないで。ねえ、この音、どこから聞こえる?」
由紀が『あの音はどこから?』と尋ねると真央が笑う。
萩原 由紀「あの音はどこから?」
真央が鍵を見せて『あの音は私の部屋よ』と言い、由紀が固まる。
沢渡 真央「この鍵は、壁の向こうの部屋のもの。あの音は私の部屋よ」
萩原 由紀「え…真央さんの部屋?」
真央は、自分で物音を止めて返事のノックをしていたと明かす。『私も聞こえる』は疑われないための嘘だった。笑顔のままの真央に由紀が後ずさり、最後の一・五秒は無言。
沢渡 真央「私が音を止めて、叩き返してたの。『私も聞こえる』って嘘なら、疑われないでしょ?」
真央が出て行き、ドアが閉まる。由紀は毎晩の返事が自分をだますためだったと悟り、壁を見つめたまま震える。
萩原 由紀の声が響いた。「私をだますために、毎晩…。」