『私を捨てた夫が、私の会社に面接に来た』第4話「出ていくのは、私』
——結婚しない?
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第3話と同じ日の夜、健太と梨花のアパート。最初の1秒は無言で「結婚しない?」だけを表示する。ただし静止して待たず、冒頭から梨花が差し出している婚姻届へ健太が乱暴に手を伸ばす。健太が婚姻届を奪って左右に張り、破れる寸前の音を響かせる。梨花は驚いて手を伸ばす。1秒後、梨花が「結婚して」と訴えた直後に、健太が婚姻届を二つに破って結婚を拒否する。名前と関係の字幕は1秒後に出す。音楽は盛り上げず、冒頭の異常さは健太の動作と婚姻届の音で伝える。
佐藤 梨花「結婚して。」
高橋 健太「結婚なんか、しない。」
ロビーの後、梨花は区役所へ寄って帰宅した。健太は署名も拒み、二つに破れた婚姻届を床に落とす。梨花は片手をお腹に当て、もう片方の手でポケットの名刺の端に触れる。「お腹の子がいるの。美咲さんは名刺もくれた」と伝える。名刺は今日、美咲から受け取った同じ一枚で、裏に区役所の相談先が書かれている。ポケットからは取り出さない。
佐藤 梨花「お腹の子がいるの。美咲さんは名刺もくれた。」
高橋 健太「署名もしない。役所にも出さない。」
結婚と署名を拒まれた梨花は、続いてお腹の子の父親になるよう頼む。健太は昨日の面接に落ちて仕事もないと言い、父親になることも拒否する。美咲への最初の音声での言及は「元妻の美咲」とする。今日の再面接や別の面接は設定しない。
佐藤 梨花「この子の父親になって。」
高橋 健太「元妻の美咲の会社だ。昨日の面接に落ちて、仕事もない。父親なんか無理だ。」
健太が今日のロビーで何を話したか尋ねる。梨花は、美咲が浮気したという健太の話が嘘だったと指摘する。美咲から将来の秘密まで聞いたという説明はしない。音楽は盛り上げない。
高橋 健太「今日、ロビーで美咲と何を話した?」
佐藤 梨花「美咲さんは浮気なんてしてなかった。嘘だったんだね。」
健太は「美咲とやり直す。あいつには金も仕事もある」と言い、復縁したい理由が美咲のお金と仕事であることを露わにする。復縁が実現することや美咲の仕事が健太のものになることは事実として扱わない。
高橋 健太「美咲とやり直す。あいつには金も仕事もある。」
佐藤 梨花「……最低。」
美咲の浮気という具体的な嘘を指摘した梨花が、復縁できると思っている健太に「美咲さんは、あなたの嘘を全部知ってる」と言い返す。これは梨花の言い返しであり、美咲の知識についての全知的な説明にはしない。音楽の盛り上がりや長い溜めは置かない。
佐藤 梨花「やり直す? 無理よ。美咲さんは、あなたの嘘を全部知ってる。」
梨花はs02でポケットにあった同じ美咲の名刺を取り出し、裏に書かれた区役所の相談先を健太に示す。「相談先も、美咲さんが教えてくれた」と言ってから、美咲の名刺をポケットへ戻す。健太は美咲が梨花を助けたと初めて知る。音楽は盛り上げない。
佐藤 梨花「相談先も、美咲さんが教えてくれた。」
高橋 健太「美咲が、お前に……?」
梨花は、断られたら出ていくためにあらかじめ用意していた白いスーツケースを持つ。「この子は、私が育てる」と淡々と伝え、玄関へ向かう。美咲の名刺はポケットに入ったまま。荷物を運ぶ実務的な場面とし、決め顔、見つめ合い、溜め、音楽の盛り上がりは置かない。
佐藤 梨花「この子は、私が育てる。」
仕事のない健太は、玄関へ向かう梨花を赤ちゃんのためでなく、自分の家賃のために引き止める。「俺、家賃払えないぞ!」に、梨花がで「自分で払って。」と言い切る。健太自身の家賃を健太が払えという返答である。健太の台詞を2秒以内、梨花の返答を3.5秒以内に終える。最後の1.5秒は無言。ここだけ音楽を盛り上げる。
高橋 健太「俺、家賃払えないぞ!」
佐藤 梨花「自分で払って。」
家賃の頼みを断った梨花は、同じ白いスーツケースを引き、美咲の名刺をポケットに持ったまま玄関から出る。「親の家に帰る」と健太に別れを告げる。音楽を落とし、新たな感情の溜めは作らない。
佐藤 梨花「あなたとは暮らせない。親の家に帰る。さようなら、健太。」
ドアが閉まる。一人になった健太は、床にある二つに破れたままの婚姻届を蹴る。家賃の頼みを断られた後の苛立ちを短く見せる。音楽は盛り上げない。
高橋 健太「くそっ……金がない……」
健太がポケットから健太のスマホを取り出し、美咲の番号を探す。s05で美咲のお金を当てにした言葉を受け、「美咲に借りればいい。」と独り言を言う。発信や通話成立は見せず、ここで終わる。予告字幕は出さない。
高橋 健太「美咲に借りればいい。」