【公式映像脚本】『契約は一年、恋は禁止』第1話「結婚相手は、8年前に消えた元カレでした』
キャッチコピー:明日店が消える
■ 登場人物
・白川汐里(亡き祖父のレトロな「白川時計店」を守る26歳の時計職人)
・久世湊(久世都市開発の若き社長(28歳)・8年前に消えた汐里の元カレ)
・藤代千景(眼鏡とダークスーツ姿のクールな女性法務仲介人(35歳))
■ 本編カット割り台本
【シーン 1】
◆ s01(6秒)
ト書き:夜の社長室。最初の1秒の字幕は「明日店が消える」だけ。汐里の切迫した声で、祖父の店を守るため社長と一年間の契約結婚をすると伝える。1秒より後に汐里を紹介し、「明日、祖父の時計店が取り壊される」と危機を示す。署名済みの契約結婚同意書と万年筆はガラスのデスク上。汐里が持つのは会社定款フォルダーだけ。窓辺の社長は振り返り始めるが、名前も顔もまだ明かさない。
テロップ:[明日店が消える]
テロップ:[祖父の時計店を守る職人・白川汐里]
テロップ:[明日、祖父の時計店が取り壊される]
白川汐里(声)「祖父の店を守るため、社長と一年間の契約結婚をする。」
◆ s02(27秒)
ト書き:「その日の昼」と表示。白川時計店で、千景が窓越しに店舗正面の赤い立ち退き通知を指す。立ち退き通知は店舗正面に貼られたままで、カウンターへ移さない。「明日、祖父の時計店が取り壊される」という危機に対し、まず一年間の契約結婚だと説明する。次に「会社の特別な決まりで、店を二人の住まいとして登録すると、取り壊しを一年間止められる」と説明する。これは登録の話であり、同居の約束ではないと区別する。次にすることは、その夜に社長室へ行き契約結婚同意書に署名すること。千景は契約結婚同意書と会社定款フォルダーをカウンター越しに汐里へ渡し、退店する。
テロップ:[その日の昼/白川時計店]
テロップ:[藤代千景/会社と汐里の契約を仲立ちする人]
テロップ:[一年間の契約結婚]
テロップ:[住まいの登録。同居の約束ではない]
テロップ:[今夜、社長室で契約結婚同意書に署名]
藤代千景「一年間の契約結婚です。」
藤代千景「会社の特別な決まりで、店を二人の住まいとして登録すると、取り壊しを一年間止められる。」
藤代千景「住まいの登録の話です。同居の約束ではありません。」
藤代千景「今夜、社長室へ。こちらの契約結婚同意書に署名してください。会社定款フォルダーもお渡しします。」
◆ s03(6.5秒)
ト書き:汐里は祖父の懐中時計をカウンターから手に取り、店を守る決意を固める。祖父の懐中時計を見たことで、別の時計である、8年前に元カレへ贈ったペアウォッチを思い出す。元カレの名前はここでは出さず、結婚相手の社長とも結び付けない。契約結婚同意書と会社定款フォルダーはもう一方の手に持っている。
テロップ:[祖父の懐中時計]
テロップ:[8年前、元カレに贈ったペアウォッチ]
白川汐里(声)「祖父の懐中時計……。店は、私が守る。」
白川汐里(声)「8年前、元カレに贈ったペアウォッチも……。」
◆ s04(5秒)
ト書き:「その夜」と表示。社長室で、汐里は会社定款フォルダーを抱え、祖父の時計店を守るため契約結婚同意書に署名する。社長は窓辺で背を向けたまま。汐里はまだ相手の顔を見ていない。署名後、万年筆をガラスのデスクへ置く。契約結婚同意書もデスク上に残る。
テロップ:[その夜/社長室]
テロップ:[契約結婚同意書に署名]
白川汐里(声)「一年間の契約結婚。祖父の店を守るために。」
◆ s05(6.9秒)
ト書き:署名後、窓辺の社長が振り返り、初めて顔を見せる。結婚相手は久世湊――8年前に消えた元カレだった。s03で思い出したペアウォッチを贈った相手と、結婚相手の社長が同じ人だとここで初めて分かる。再会は筋の転換として、驚きと緊張で見せる。音楽は抑え、最大の盛り上がりにはしない。
テロップ:[結婚相手の社長・久世湊――8年前に消えた元カレ]
久世湊「俺だ、湊だ。……久しぶりだな、汐里。」
◆ s06(6秒)
ト書き:汐里は、8年前に消えた元カレが結婚相手だったことに息を呑む。祖父の懐中時計を見て思い出した、ペアウォッチを贈った相手が湊だと、汐里の反応で結び付ける。驚いているのは湊の名前そのものではなく、目の前の社長が湊だったこと。湊が消えた理由は明かさない。
白川汐里「湊!? ペアウォッチを贈った、あんたが……結婚相手?」
◆ s07(5.5秒)
ト書き:湊は汐里から会社定款フォルダーを受け取り、ガラスのデスクへ置く。続けて別紙条項をデスクへ置き、平らに押さえる。汐里はデスクから署名済みの契約結婚同意書を取り上げ、手に持つ。万年筆はデスク上に置いたまま。店の取り壊しと恋愛感情を罰として結び付けず、別紙条項の確認へ進む。
久世湊「これが別紙条項だ。契約の条件を確認する。」
◆ s08(11秒)
ト書き:湊はデスクに置いたままの別紙条項の第3条を指す。別紙条項を持ち上げない。正式な文言「第3条:契約期間中、互いに恋愛感情を持つことを禁じる」を字幕で示し、声では「結婚の契約中は、お互いを好きになってはいけない」と説明する。取締役会が決めた契約条件だと冷たく告げる。好きになったら店を取り壊すという罰や脅しは加えない。
テロップ:[第3条:契約期間中、互いに恋愛感情を持つことを禁じる]
テロップ:[結婚の契約中は、お互いを好きになってはいけない]
久世湊「結婚の契約中は、お互いを好きになってはいけない。」
久世湊「取締役会が決めた契約条件だ。」
◆ s09(6秒)
ト書き:汐里は湊を真っ直ぐに睨み返し、二度と好きにならないと宣言する。署名済みの契約結婚同意書を手に持ったまま背を向け、社長室から退室する。湊が汐里を捨てたと客観的事実のように説明しない。
白川汐里「望むところよ。あんたのことなんか、二度と好きにならない!」
◆ s10(8.5秒)
ト書き:汐里が去り、扉が閉まった社長室。湊は書類を持っていない。左手で右の袖口をずらすと、右手首に着けた傷だらけのペアウォッチが現れる。字幕で「汐里が8年前に湊へ贈ったペアウォッチ」「今も、着けている。」と示し、s03の贈り物を回収する。祖父の懐中時計とは別の、茶色い革ベルトの腕時計。で時計と優しくなった表情を見せ、s08の冷たさと対比する。唯一の決め台詞は「今度こそ、汐里を守る。」。台詞は6.5秒までに終え、残り2秒は無言。音楽はここで最も豊かに盛り上げる。デスクも書類も画面に出さない。
テロップ:[汐里が8年前に湊へ贈ったペアウォッチ]
テロップ:[今も、着けている。]
久世湊(声)「今度こそ、汐里を守る。」