【公式映像脚本】『MY IDOL HATES ME』第9話「鏡室』
キャッチコピー:二重請求?
■ 登場人物
・律(26歳・182cm。リーダー、静かな統率。練習生費用を肩代わりし事務所に借りがある。)
・凪(24歳・176cm。歌担当、穏やかで鋭い。消された練習生記録の音声を保管。)
・海(25歳・180cm。語学・交渉。鏡室の報告役を強制され、蓮を守るため偽装している。蓮の恋人(相思相愛)。)
・レオ(23歳・178cm。ダンス、短気で義理堅い。ユウの明細に自分の筆跡があり罪悪感。)
・蓮(24歳・179cm。主人公、新センター、観察眼。元練習生キリの復帰を願い、海との秘密の恋を隠す。)
・晴(27歳・181cm。広報担当、世話焼き。編集した蓮の声を脅しの素材として再生した。庇護と管理を混同。)
・伊織(26歳・183cm。振付師、寡黙。マイクの点灯と録音を見抜く。新曲振付の作者名を奪われた。)
・ユウ(22歳・174cm。最年少、明るいが不眠。家族宛の架空費用請求で支配されている。)
・セナ(28歳・184cm。作曲兼最年長、皮肉。鏡室システムの設計に協力。停止権限はない。)
・鷹見(46歳男性。玻環芸能の統括責任者で鏡室の最終決裁者。三つの顔を持つ悪役。(1)仕掛け人: 企画とコンセプトで全てを決め、「売れる物語」のためならメンバーの本心や涙も演出の材料にする。(2)カリスマ: 表では情熱的な師匠。「君たちのため」と言いながら、契約・請求・恋愛禁止・SNS・予定表の厳しい規則で縛る。(3)支配者: 誰をデビューさせ誰を干すかを一人で決め、メンバー同士を競わせて孤立させる。声を荒げず、細く冷たい目と口元だけの薄い笑みで、予定表を読むように脅す。)
・汐(32歳女性。舞台進行責任者。記録を受け取り架空の独立制作組合へ届ける。)
■ 本編カット割り台本
【シーン 1】
◆ s01(1秒)
ト書き:セナの二本の指が同じ番号で止まる。二つの紙の色を変え、原帳と写しを識別する。/指が紙を叩く二音。
テロップ:[二重請求?]
テロップ:[セナ・最年長の仲間、作曲担当|同じ番号 HK-1042]
セナ「同じだ。」
◆ s02(10秒)
ト書き:セナが同一研修費の二つの計上を指し、律が自分の送金控えをその下へ置く。/舞台準備の遠い足音。
テロップ:[律はユウの研修費を支払い済み。鷹見がユウの家族へ再び請求した。]
テロップ:[律・リーダー、ユウの研修費を払った仲間]
テロップ:[同じライブの夜・舞台袖。練習室から律の携帯と証拠の紙を運んだ。]
テロップ:[律が払った費用なのに、帳簿ではユウの未払いのまま。]
テロップ:[律の支払い記録:HK-1042]
セナ「ユウの未払い。律の立替済み。」
律「一件が、二つに?」
◆ s03(9秒)
ト書き:汐が付箋の付いていない訂正欄を示す。セナは鷹見から持ち出された写しの封筒『317』に目を落とす。/原帳の厚いページを押さえる音。
テロップ:[汐・会場の舞台進行責任者]
テロップ:[元の帳簿も証拠の写しもHK-1042。訂正なし。同じ研修費の二重請求。]
汐「原帳も同じ番号。訂正は入ってない。」
セナ「控えの場所、知ってて黙ってた。」
◆ s04(8秒)
ト書き:セナは冗談を挟まずユウに向き直る。ユウは机の端を離し、正面から聞く。/遠い音楽チェックを止め、二人の声を露出させる。
テロップ:[ユウ・最年少の仲間、二重請求の被害者]
テロップ:[セナは、黙っていたことに続き、ユウへ設計への関与も認める。]
テロップ:[鏡室=点数で人を操る仕組み]
セナ「鏡室を設計した。俺も、数字を見てた。」
ユウ「俺たちを、点数にした?」
◆ s05(8秒)
ト書き:セナが掌を開き、何も持っていないことを見せる。ユウは明細を一枚自分で揃え、茶封筒の上へ戻す。/舞台の呼び出しベルが一度、遠くで鳴る。
テロップ:[ユウは自分の声で訂正すると決める。まだ公開はしていない。]
セナ「投稿を拾って、騒ぎの順番を決めた。」
ユウ「なら、俺の声で訂正する。」
◆ s06(9秒)
ト書き:鷹見は口元だけの薄い笑みで舞台方向を示す。律は原帳を閉じて管理担当者へ返し、P03の写しを『317』へ戻す。原帳と封筒の受け手を一画面で区別する。/原帳を閉じる重い音。
テロップ:[鷹見・事務所のトップ]
テロップ:[元の帳簿は汐へ返す。証拠の写しは封筒317に入れて守る。]
鷹見「帳簿を戻せ。夢を見せてやるのは私だ。私の言う通りに笑え。」
律「原帳は戻す。この控えは預かる。」
◆ s07(9秒)
ト書き:汐は『独立制作組合/資料受付』の連絡先だけを表示。まだ送信せず、セナへ画面を向ける。セナは自分の名を記すため白紙を受け取る。/携帯の操作音は消す。肉声のみ。
テロップ:[元の帳簿:汐から律へ。同じ舞台袖の進行卓で保管。]
テロップ:[汐自身の携帯:独立制作組合の資料受付。公開前の外部確認。まだ送信しない。]
テロップ:[もう黙って隠さない。俺がしたことも調べて。俺の名前をつけて。]
汐「公開前に、記録を確認してもらう。」
セナ「俺が関わった範囲も、名前つきで。」
◆ s08(17秒)
ト書き:伊織が掌を上げる。律はP03を袖の保管棚に置き、汐がその棚の前に立つ。九人が歩いて舞台の立ち位置へ。特定の実在振付を使わない。/九人の靴音が順に重なる。
テロップ:[伊織・九人の振付師]
テロップ:[蓮・九人の新センター]
テロップ:[海・蓮の秘密の恋人]
テロップ:[凪・九人の歌担当]
テロップ:[レオ・九人のダンス担当]
テロップ:[晴・九人の広報担当]
テロップ:[証拠の写しを入れた封筒317は、律から汐へ。]
伊織「九人、位置へ。」
◆ s09(10秒)
ト書き:鷹見が口元だけの薄い笑みのまま、音響担当へ短く命じる。担当の指が『MUSIC』と記したフェーダーへ移動。『VOCAL』には触れない。舞台カウントが3を表示する。/クリックのカウントは袖だけに小さく。
テロップ:[笑えと命じた鷹見が、今度は音楽停止を命じる。]
テロップ:[音響担当が触れるのは音楽用フェーダーだけ。歌声用には触れない。]
鷹見「音を止めろ。」
◆ s10(8秒)
ト書き:汐のカウントで照明が点く。オリジナルの短い導入音が半拍鳴ったところで音楽だけが落ちる。九人は立ち位置を崩さず、伊織の掌を見る。/汐の業務カウント。導入音は70.8秒から71.4秒で急停止。残るのは客席の衣擦れと息。
テロップ:[鷹見の命令で音楽だけが止まった。照明は点いたまま。九人は同じ伊織の右の掌を見て、次の合図を待つ。]
汐「3、2、1。」