『私を捨てた夫が、私の会社に面接に来た』第12話「もう一度、面接室で』
——面接できる?
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前話末尾の面接の続き。美咲の元夫の浮気相手だった梨花は、すでに応募者の席にいる。冒頭から梨花が机の端で両手を固く握り、美咲と緊張した視線を交わす。椅子が床をこする短い音を響かせ、普通の面接ではない気まずさを見せる。最初の1秒の表示は「面接できる?」だけで、台詞なし。1秒後に二人を紹介する。梨花は美咲を見て「夫を奪った私ですが、働きたいです」と伝え、過去の関係と応募の意思を声でも示す。再入室や、初めて正体を知ったような驚きは描かない。美咲のスマホは机の下の手にあり、画面には映さない。音楽は盛り上げない。
佐藤 梨花「夫を奪った私ですが、働きたいです。」
健太の面接から1年後であり、前話末尾の面接の続き。字幕で梨花の仕事の訓練への申し込みを短く振り返る。梨花は赤ちゃんを実家の母に預けてきたと伝える。冒頭の紹介により、梨花は、美咲の元夫・健太の浮気相手だったと分かる。離婚からの年数は表示しない。
佐藤 梨花「赤ちゃんは、実家の母に預けてきました。」
梨花は、美咲に選ばれるためではなく、この会社で働きたいと伝える。美咲は遮らずに聞く。音楽は盛り上げず、合格につながる梨花自身の答えへの伏線にする。
佐藤 梨花「美咲さんに選ばれたくて来たんじゃありません。この会社で働きたいんです。」
公平にするため、美咲は自分から「個人的な関係があるので、面接から外れます」と告げる。美咲は面接にも採否にも関わらず、中村部長に任せる。ドアを開けて廊下で待つ中村部長を呼ぶ。音楽は盛り上げない。
高橋 美咲「個人的な関係があるので、面接から外れます。中村部長、お願いします。」
呼ばれた中村部長が入り、美咲と交代する。中村部長はこの時点では人事部長。ここから梨花の面接と採否を担当する。交代は実務的に描き、音楽を盛り上げない。
中村 浩二「美咲さんの上司、中村です。面接を代わります。」
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美咲は廊下に出て待つ。健太の面接でも面接官から外れるべきだったと短く振り返る。ただし過去の不採用の公平性は覆さない。不採用を決めたのは録画を見た中村部長だったと字幕で示す。反省を別の感情の山にせず、音楽は抑える。
高橋 美咲「1年前の健太の面接も、外れるべきだった。」
廊下で待つ美咲のスマホが短く震える。美咲のスマホに届いた、小野寺さんからの報告。送り主は会社の外の弁護士・小野寺さん。美咲は画面を見て、先ほど振り返った健太が嘘を広めて名誉を傷つけたことへの謝罪文を出したと声にする。続けて、本当の経歴で工場に勤めたことを伝える。健太は工場で働き、使い込んだお金を返し始めた。現在の謝罪と返済開始を、台詞と報告の字幕の両方で明示する。返済完了や刑事処分の結果は加えない。音楽は盛り上げない。
高橋 美咲「健太は謝罪文を出した。本当の経歴で工場に勤め、使い込んだお金を返し始めた。」
面接が終わるまで時間が経過する。中村部長の面接で合格した梨花が廊下に出て、待っていた美咲を見つける。中村部長は面接室に残る。美咲は面接にも採否にも関わっていない。
佐藤 梨花「お待たせしました。合格しました。」
廊下で待つ美咲を見つけた後、梨花は深く頭を下げる。美咲の元夫の浮気相手だった梨花が、かつて美咲を傷つけたことを謝る。健太の面接についての謝罪ではない。続いて今日の交代と待ってくれたことに礼を言う。美咲は静かに受け止めるだけ。音楽の盛り上がりや長い溜めは置かない。
佐藤 梨花「昔、傷つけてごめんなさい。交代して、待ってくれてありがとう。」
美咲のを中心に、梨花が顔を上げるところを受ける。「この会社で働きたい」と答えた梨花が、自分自身の答えで合格したことを、美咲が一行だけ認める。台詞は3.5秒以内に終え、最後の1.5秒以上は二人とも話さない。音楽の盛り上がりはここだけ。過去をすべて許す宣言はしない。
高橋 美咲「あなた自身の答えで決まったのよ。」
音楽を落とす。梨花は実家の母に預けた子どもを迎えに行くと告げ、月曜の再会を約束する。二人は初めて並んで笑う。短い後日字幕で、美咲の人事部長への昇進を示す。従来の採否の決まりを土台に、今回実行した交代を全社に広げ、「個人的な関係がある人は、面接にも採否にも関わらない」と明示する。今回初めて採否の決まりを作ったとはしない。
佐藤 梨花「母に預けた子どもを迎えに行きます。また月曜に。」
高橋 美咲「ええ、また月曜に。」