『私を捨てた夫が、私の会社に面接に来た』第11話「元夫の、本当の転落』
——同じ夜――会社の金を使い込んだ元夫が土下座
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第10話と同じ日の夜、美咲のマンションの前。帰ってきた美咲の前で、健太が土下座する。
高橋 健太「会社の金を使い込んだ。代わりに返して!」
美咲のマンションの前。美咲は、小野寺から聞いた使い込みの件を本人に確かめる。
高橋 美咲「使い込みは小野寺さんから聞いたわ。本当なの?」
健太はうなだれて認める。それでクビになった。仕事がないのを隠していた、あの半年前のことだ。
高橋 健太「ああ。使い込みで6か月前にクビになった。」
美咲は続ける。3年前、家を出たときも、二人の貯金を勝手に持ち出していた。
高橋 美咲「3年前、二人の貯金も勝手に持ち出したわね。それも返して。」
健太は立ち上がり、元夫婦だろとすがりつこうとする。美咲は一歩下がる。
高橋 健太「元夫婦だろ! 助けてくれよ!」
美咲は、助けないと言う。でも、逃げないで。
高橋 美咲「助けない。でも、逃げないで。」
使い込んだお金も、貯金も、全部自分で返して。警察で、本当のことを話して。
高橋 美咲「全部、自分で返して。警察で、本当のことを話して。」
健太は泣きながら、自分で全部返すと答える。
高橋 健太「……分かった。全部、自分で返す。」
健太は背を向け、夜の道を歩いていく。その夜、健太は自分から警察へ行き、すべてを話した。元夫の、本当の転落だった。
*
同じ夜、梨花の実家の前。梨花は母子手帳を握り、この子のために働くと決める。
佐藤 梨花「美咲さんが教えてくれた窓口で、職業訓練に申し込んだ。この子のために、働く。」
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1年後、美咲の会社の面接室。面接官の席に座る美咲の前で、ドアが開く。
高橋 美咲「どうぞ、お入りください。……梨花さん。1年か。ここから、また始めましょう。」