【公式映像脚本】『友人しか泊めていないのに、来客用のコップが出ていた』
キャッチコピー:誰のコップ?
■ 登場人物
・加藤 彩乃(主人公。典子を自宅に泊めた家主。)
・田代 典子(彩乃に泊めてもらっている友人。親切を返したいが、他人の家との境界を考えない。)
・矢野 学(典子が外で見かけて家に泊めた男。典子の許可を信じ、住む場所を確保しようとしている。)
■ 本編カット割り台本
【シーン 1】
◆ s01(4秒)
ト書き:帰宅した彩乃が、使われている来客用のコップを顔の横へ上げる。冒頭字幕は「誰のコップ?」だけ。1秒後、場所と友人関係を下端に紹介する。
テロップ:[誰のコップ?]
テロップ:[夜・彩乃の家 / 家主の加藤彩乃/彩乃の友人・田代典子]
加藤 彩乃「誰の?知らない人は入れたくない。」
◆ s02(5秒)
ト書き:典子は彩乃の問いに答えず、昨日泊めてもらったことを口にする。
田代 典子「昨日、家がなくて泊めてくれたよね。」
◆ s03(5秒)
ト書き:彩乃は自分が床で寝た理由を言い、持ったままのコップについて問い直す。
加藤 彩乃「放っておけなくて、私が床で寝た。」
加藤 彩乃「で、これは誰の?」
◆ s04(5秒)
ト書き:典子はお返しに部屋を片づけたと話す。善意を返したいという動機だけを見せる。
田代 典子「お返しに、帰る前に部屋を片づけたの。」
◆ s05(5秒)
ト書き:彩乃が画面外からコップの説明を求める。典子は仕切りの奥へ顔を向け、声を落としてほしいと言う。
加藤 彩乃(声)「片づけた話じゃなくて、コップ。」
田代 典子「大きな声、出さないで。」
◆ s06(5秒)
ト書き:彩乃が来客用のコップを机に置く。机の白と灰色のコップは普段の持ち主が決まっていると示す。
加藤 彩乃「私たちのコップ、こっちでしょ。」
加藤 彩乃「これは来客用。誰に貸したの?」
◆ s07(5秒)
ト書き:彩乃は典子の視線の先を見て、家に泊めたのは典子だけだとはっきり伝える。
加藤 彩乃「泊めたのは、典子だけだよ。」
◆ s08(5秒)
ト書き:典子は彩乃へ顔を戻し、自分がしてもらった親切を、外で寝ていた男にもしたと明かす。ここだけで真相を説明する。
テロップ:[友達を家に泊めたら知らない男まで住んでいた]
田代 典子「お返しに、私も誰かを助けたくて。」
田代 典子「外で寝てた男の人に貸して、泊めた。」
◆ s09(5秒)
ト書き:感動の山: 怖さ。仕切りの端から男が顔を出す。低い効果音を一撃だけ入れる。男は「矢野です」と名乗り、「ここ、ずっと住んでいいんだよね」と確認する。発話は冒頭3.5秒以内に終え、その後は口を閉じたまま1.5秒以上、彩乃を見つめる。音楽は止める。
テロップ:[勝手に泊められた男・矢野学]
矢野 学「矢野です。ここ、ずっと住んでいいんだよね。」
◆ s10(5秒)
ト書き:彩乃は左側で男を見たまま立ちすくむ。右奥には、座ったまま彩乃を見る典子が小さくぼけて映る。2人とも口は閉じている。机のコップも典子もその場に残り、彩乃だけが自分の家で動けない。
◆ s11(5秒)
ト書き:手前の机に白、灰色、透明のコップが残る。透明のコップには使いかけの水。右奥の仕切りの端には、顔を出したままの男が立ち、画面外の彩乃を見ている。男は「典子さんに、ずっと住んでいいって言われた」と説明する。誰もコップを片づけない。最後は男も口を閉じ、無音で終わる。
テロップ:[男はここに住みたい。 / 典子が、彩乃に聞かずに「住んでいい」と言った。]
矢野 学「典子さんに、ずっと住んでいいって言われた。」