『深夜の夫の靴だけ増えていく、その理由』
——深夜、自宅の玄関
────────────────────────
深夜の玄関で、沙月が夫の靴が一足増えているのを見つける。
秋野 沙月「夫の陽介の靴が、また一足増えてる」
翌朝、沙月が陽介に問い詰めるが、陽介は笑ってごまかす。
秋野 沙月「お願い、靴のこと説明して」
黒田 陽介「気のせいだよ、妻の沙月」
その夜、沙月がこっそり靴箱を開ける。
秋野 沙月「靴箱の中、確かめてみる」
靴箱に同じ黒い革靴が十足並んでいる。
秋野 沙月「同じ靴が、十足も入ってる」
陽介が玄関から出ていこうとし、沙月が呼び止める。
秋野 沙月「こんな夜中に、どこへ行くの」
*
沙月が夫の後をつけて墓地へ来る。
秋野 沙月「夫が毎晩、墓地に来ていた」
陽介が自分の墓石の前で話しかけている。
黒田 陽介「また来たよ、疲れたね」
沙月が気づく。あれは陽介自身の墓だと。
秋野 沙月「あれは、あなた自身の墓よ」
感動の山:沙月が「あなたは生きている」と叫び、陽介が号泣する。
秋野 沙月「あなたは生きているのよ」
陽介が自分が死んだと思い込んでいたことを自覚する。
黒田 陽介「俺、死んだと思ってた」