『私を捨てた夫が、私の会社に面接に来た』第7話「疑いは、私にも向けられた』
——採用から外れた?
────────────────────────
第6話の翌朝、人事部のオフィス。冒頭から、美咲が採用の資料を中村部長へ返す手元と、唇を固く結んだ顔を大きく見せる。最初の一秒は無言で、字幕は「採用から外れた?」だけ。採用の資料が机に当たる乾いた音を響かせ、美咲の指が一瞬だけ縁を握り締めてから離れる。昨日受け入れた担当変更を実施する痛みであり、初めて告げられた驚きにはしない。一秒後、採用責任者・美咲と紹介し、ネットの嘘「元妻の仕返しで落とした」で疑われ、調査中は採用の仕事から外れることを字幕で示す。美咲は顔を上げ、記録で疑いを晴らしたいと自分の声で伝える。音楽は盛り上げない。
高橋 美咲「調査中は採用を離れます。記録で確かめてください。」
採用の資料を受け取った美咲の上司・中村部長が、会議室へ案内する。不採用を決めたのは中村部長、と字幕で一度だけ振り返る。美咲はうなずいて会議室へ向かう。
中村 浩二「会議室へ。社外の弁護士が待っている。」
*
会議室に入ると、会社の外の弁護士・小野寺 遥が待っている。小野寺は名前を名乗り、会社に頼まれて公平に調べる立場だと声で説明する。音声と録画の比較についてはs06で説明し、ここでは調査結果を出さない。
小野寺 遥「弁護士の小野寺遥です。会社の依頼で、公平に調べます。」
元夫の面接を美咲が担当したことは、小野寺がすでに承知している調査対象。小野寺は美咲にも厳しく質問する。かばうための調査ではない。音楽は盛り上げない。
小野寺 遥「元夫の面接ですね。仕返しではないのですか?」
美咲は目をそらさず、採用を推薦しなかったが、採否を決めた人ではないと答える。結論は美咲の説明だけでは出さず、記録の確認へ進む。
高橋 美咲「推薦はしませんでした。でも、採否は決めていません。」
小野寺が小野寺の調査ファイルを開き、元夫だと分かって面接前に出した届け出の日時を指で確認する。届け出の時点を声で説明し、知り合いだけ合格という噂も調べると伝える。ネットの音声と会社の録画を比べることも、字幕だけでなく声で説明する。新しい音声投稿や電話録音は登場させない。音楽は盛り上げない。
小野寺 遥「元夫だと分かって、面接前に届け出ていますね。日時も確認しました。」
小野寺 遥「「知り合いだけ合格」も調べます。ネットの音声も会社の録画と比べます。」
資料確認後、と時間の経過を示す。小野寺が小野寺の調査ファイル内の中村部長の判断の記録を指す。冒頭で振り返った中村部長の判断を、本人の説明だけでなく会社の録画と中村部長の判断の記録でも確かめたと報告する。
小野寺 遥「録画と部長の判断の記録を確認しました。不採用を決めたのは中村部長です。」
小野寺は、元夫だと分かって面接前に出した届け出の日時、会社の録画、中村部長の判断の記録をそろえた調査結果を報告する。不採用を決めたのは美咲ではないと公式に確かめる。小野寺の調査ファイルを閉じる動作は事務的に行い、感情の溜めや音楽の盛り上がりは置かない。
小野寺 遥「届け出と録画、部長の記録で確認しました。美咲さんは不採用を決めていません。」
小野寺が、調べると予告した知り合いだけ合格という噂の調査結果を先に伝える。合格者の記録を確認しても根拠はない。美咲にも厳しく質問した小野寺が、記録を確かめた上で最後の決め台詞を一行だけ告げる。最後の二秒は誰も話さず、寄りで映した美咲が長い息を吐く。ここだけ音楽を盛り上げる。
小野寺 遥「合格者の記録も確認しました。「知り合いだけ合格」に根拠はありません。」
小野寺 遥「あなたは、何も間違っていません。」
小野寺が、s03で比較すると予告した同じ面接のネットの音声と会社の録画をノートパソコンで比べる。前話から調べている同じ面接の音声であり、電話録音や新しい音声投稿ではない。会社の録画では発言が続いているのに、ネットの音声は途中で終わっている、と小野寺が声で説明して終わる。欠けた言葉そのもの、具体的な切り取り方、投稿者の正式な特定、採用への復帰は描かない。予告字幕も出さない。
小野寺 遥「同じ面接です。会社の録画では言葉が続いているのに、ネットの音声は途中で終わっています。」