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夫と同じケーキを食べたら、私だけ息ができない ・ AI BunCho 公式

第1話第1話:小説版(ノベライズ本編)

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2026/10/31 公開・982字

『夫と同じケーキを食べたら、私だけ息ができない』

——別れ話にケーキ?

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夜の自宅の居間。別れたいと伝えたのにケーキを勧めてくる夫に、春菜が不信感を向ける。冒頭字幕「別れ話にケーキ?」を開始直後から表示する。

福田 春菜の声が響いた。「別れたいって言ったのに、ケーキ?」

直人が無傷の小さな丸いケーキを春菜へ差し出す。反対の手には閉じた春菜の薬入れがある。夫妻の名前と関係を紹介する。

福田 直人「最後に、俺のケーキ食べて。」

春菜は画面外のケーキを見たまま、くるみを食べると息が苦しくなると伝える。

福田 春菜「私、くるみで息が苦しくなるから。」

直人は閉じた春菜の薬入れを持ち上げて見せる。中身には触れず、薬入れが手元にあることだけを言って安心させる。ケーキは無傷のまま持ち続ける。

福田 直人「薬入れなら、ここにある。安心して。」

春菜はまだ受け取らず、直人が先に食べることを条件にする。

福田 春菜「じゃあ、あなたが先に食べて。」

直人が無傷のケーキをひと口食べる。最後のコマでは口を閉じ、平然としている。画面外の春菜は、夫が平気な様子を安全の証拠だと思い込み、「安全なのね」と結論を口にして、自分も食べると決める。ここを警戒から安心への第一の転換とする。

福田 春菜の声が響いた。「安全なのね。なら、私も食べる。」

画面左の春菜が、画面右の直人から食べかけの同じケーキを受け取る。直人は閉じた薬入れを持ち続ける。

春菜は別れる意思を改めて言ってから、受け取った食べかけのケーキをひと口食べる。最後は口を閉じる。

福田 春菜「これで、ちゃんと別れられるね。」

春菜はケーキを持ったまま、息のしづらさで言葉を止め、夫を見る。苦痛は抑えた演技にとどめる。

福田 春菜「ねえ、息が……。」

怖さの山。直人は春菜の薬入れを開き、空の中を見せて決め台詞を言う。開いた瞬間に低い効果音を一撃入れ、台詞の後は1秒以上、音楽も声も止める。

福田 直人「くるみ入り。薬は捨てた。」

春菜は食べかけのケーキを持ったまま、直人を見て、助けと引き換えに別れないと言ってしまう。

福田 春菜「助けて。別れないから。」

直人は春菜を見たまま、空の薬入れを静かに閉じる。助ける動きはせず、閉まり切った薬入れと平静な顔で物語を終える。

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