『私を捨てた夫が、私の会社に面接に来た』第3話「浮気相手が、元妻に頭を下げた』
——翌日のお昼・美咲の会社のロビー
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第2話の翌日のお昼、美咲の会社のロビー。3年前に夫を奪った浮気相手の梨花が、元妻の美咲の前で深く頭を下げる。
佐藤 梨花「お願いします。助けてください。」
高橋 美咲「……顔を上げて。」
美咲は、なぜ自分に頼るのかと聞く。梨花は、健太が仕事がないことを半年も隠していたと打ち明ける。
高橋 美咲「3年前、私から夫を奪ったあなたが、なぜ私に?」
佐藤 梨花「健太、仕事がないことを半年も隠してたの。」
梨花はお腹に手を当てる。家賃も払えず、この子をどう育てればいいか分からない。
佐藤 梨花「家賃も払えない。この子をどう育てたらいいか、分からないの。」
美咲は、あなたを許していないとはっきり言う。梨花は、それでも他に頼れる人がいないと答える。
高橋 美咲「はっきり言うわ。私は、あなたを許していない。」
佐藤 梨花「分かってる。でも、他に頼れる人がいないの。」
梨花が、健太から聞かされていた話を口にする。美咲さんも浮気していたから、おあいこだと。美咲は、浮気など一度もしていないと答える。
佐藤 梨花「健太、言ってた。美咲さんも浮気してたから、おあいこだって。」
高橋 美咲「私は浮気なんてしていない。一度も。」
梨花は、健太が自分にも嘘をついていたと気づき、言葉を失う。
佐藤 梨花「……また、健太の嘘だったんだ。」
美咲は名刺の裏に、区役所の妊婦さんの相談窓口を書く。お腹の子に罪はない。
高橋 美咲「お腹の子に罪はないわ。区役所に、妊婦さんの相談窓口がある。」
美咲が名刺を梨花に渡す。仕事やお金のことも、そこで相談できる。
高橋 美咲「仕事のことも、お金のことも、そこで相談できるわ。」
佐藤 梨花「どうして……私なんかに。」
美咲は「あなたのためじゃない、生まれてくる子のため」と言う。梨花は、3年前のことを本気で謝る。
高橋 美咲「あなたのためじゃない。生まれてくる子のためよ。」
佐藤 梨花「3年前のこと……本当に、ごめんなさい。」
梨花は、今夜健太に、結婚してほしいとちゃんと言うと決める。
佐藤 梨花「今夜、健太にちゃんと言う。この子のために、結婚してって。」
高橋 美咲「……それは、あなたが決めることよ。」
ロビーのガラスのドアが開き、健太が入ってくる。二人が一緒にいるのを見て、顔色を変える。
高橋 健太「お前ら……ここで何してる!?」
健太が梨花の手首をつかみ「帰るぞ」と言う。梨花はその手を振りほどく。美咲は「ここは会社よ」と静かに告げる。
高橋 健太「梨花、帰るぞ!」
佐藤 梨花「触らないで!」
高橋 美咲「ここは会社よ。騒ぐなら、出ていって。」