『最強ばあちゃん 梅子』第2話「世界最強の殺し屋が、ばあちゃんに土下座した』
——殺し屋が土下座!?
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人気のない商店街の裏通り。長身で頬に傷のある伝説の殺し屋・黒崎がサプレッサー付き拳銃をアスファルトに落とし、キャベツ入りの買い物袋を持つ小柄な85歳の梅子の前で額を地面に叩きつけて全力で土下座する。
黒崎の声が響いた。「あんたを殺しに来た。」
その少し前。夕暮れの商店街を、梅子がキャベツとじゃがいもの入った買い物袋を提げて穏やかな笑顔で歩いている。
梅子の声が響いた。「今日はロールキャベツにしようかねぇ。……肉じゃがもいいねぇ。」
梅子の声が響いた。「悠斗のやつ、今夜は何時に帰ってくるんだろねぇ。」
商店街の路地裏から、黒崎が回収局の暗号化端末に表示された「対象:一般人女性(85)/コード非開示/報酬1億円」と追記「足止め優先」を確認する。暗殺なのに足止めを優先する指令に、眉をひそめる。
黒崎の声が響いた。「暗殺なのに、足止め優先? 妙な指令だ。」
人気のない商店街の裏通りで、黒崎が梅子の行く手を塞ぎ、黒いサプレッサー付き拳銃を抜いて銃口を向ける。
黒崎の声が響いた。「悪く思うな。仕事だ。」
梅子が落ち着き払ってキャベツの買い物袋を持ち替えると、カーディガンの袖口がずれ、右手首の内側にある古い傷跡の「零」の焼印が露わになる。
梅子の声が響いた。「おや、物騒なお兄さんだねぇ。」
梅子の右手首の「零」の焼印を目にした黒崎が、回収局の創設期から語り継がれる伝説の怪物『零号』だと気づき、極限の恐怖に目を見開く。
黒崎の声が響いた。「その焼印……国が作った最強の超人、零号!」
黒崎は即座にサプレッサー付き拳銃をアスファルトにカランと落とし、キャベツ袋を持った梅子の前で額を地面に叩きつけて必死に土下座する。
黒崎の声が響いた。「命だけはお助けを!」
梅子が穏やかに微笑み、落ちていた拳銃を拾って弾倉を抜き、エプロンのポケットにしまう。土下座する黒崎の肩を優しく叩いて立ち上がらせる。
梅子の声が響いた。「ほら立ちなさいな、スーツが汚れるよ。……これは預かっとくよ。」
黒崎の声が響いた。「は、はいっ!」
立ち上がった黒崎が、回収局の本隊が梅子を狙っていることを警告するため、自分の暗号化端末の画面を梅子に見せる。
黒崎の声が響いた。「婆さん、俺に1億円で暗殺命令を出したのは『回収局』だ。だが今、本隊から妙な通信が——」
突如、黒崎の端末画面が赤く点滅し、回収局からの緊急オーバーライド通信「零号の足止め完了。真の目標:孫・悠斗を旧港湾倉庫に拉致・確保済み」が表示される。暗殺指令は、最初から孫を拉致するための囮だった。黒崎が息を呑み、梅子の目つきが鋭く変わる。
黒崎の声が響いた。「俺が婆さんを足止めしてる間に、孫の悠斗をさらったのか! 旧港湾倉庫だ!」
梅子の声が響いた。「……悠斗!」