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夫のカメラでコップを撮ったら、部屋から消えた ・ AI BunCho 公式

第1話第1話:小説版(ノベライズ本編)

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2026/10/25 公開・906字

『夫のカメラでコップを撮ったら、部屋から消えた』

——撮ると消える?

────────────────────────

由美が壁のくぼみの棚にあるコップをスマホで撮る。シャッター音と同時にコップが消える。開始から1秒までは「撮ると消える?」だけを表示し、1秒後からcaptionの「夜・自宅/家を出たい妻の由美」に切り替える。

松本 由美「撮ったコップが消えた!」

空の棚を見つめる由美に、そばにいた夫の浩二が頼む。木のイスはまだ壁際にある。

松本 浩二「出ていく前に、写真を撮らせて。」

由美は持ち主の浩二にスマホを返す。浩二が受け取り終えたところで切る。

松本 由美「これ、あなたのスマホでしょ?」

松本 浩二「うん。返して。」

カメラは浩二の肩のすぐ後ろに位置し、浩二と同じ方向からスマホ画面を見る。浩二がイスを撮ると、実物が消える。そのまま画面に寄り、消えたコップとイスが同じ居間にある写真を一瞬はっきり見せる。由美は浩二の向かい側にいて、このカットでは画面外。由美に向いているのはスマホの背面で、写真は見えない。

由美はイスの消えた床を見て後ずさる。コップのあった棚も空のまま。

松本 由美「イスまで消えた。何したの?」

浩二はスマホを胸元に持ち、由美を見て話す。スマホの画面は由美に見せない。

松本 浩二「なくしたくない物だけ、撮るんだ。」

由美が居間の出口へ向かおうとすると、浩二がスマホを向ける。由美が制止した直後、シャッターが鳴る。

松本 由美「私は出ていく。撮らないで。」

怖さの山。浩二が画面をこちらへ向けると、由美がコップとイスのある写真の中にいる。実際の出口の前には誰もいない。低い効果音を1回鳴らし、決め台詞のあと2秒以上を無言にする。

松本 浩二「写真の中なら、逃げられない。」

スマホ画面の写真だけを大きく映す。由美のそばには消えたコップとイスがある。由美は写真の縁から出ようとするが、その場から動けない。

松本 浩二の声が響いた。「コップもイスも、そこにあるだろ。」

画面が黒くなったスマホを、浩二が胸に抱える。背後の棚と床は空で、由美もいない。無言のまま暗転して終わる。

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