『深夜2時にだけ開くコンビニ』
——商品の値札に書かれていたのは「円」ではなく「寿命」。知らずにレジへ向かった男が買おうとしたものは——。
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残業帰りの深夜2時、いつもは空き地のはずの路地裏に明かりの灯るコンビニを見つける直哉。店内の商品はどれも魅力的だったが、値札には『3日』『1年』『15年』と寿命が書かれていた。直哉が最後にレジへ差し出したものとは。
相沢 直哉(主人公(31歳))——病気の妹を抱え、激務で疲れ果てて深夜の路地に迷い込んだ会社員。
深夜の店員(寿命コンビニの店主)——寿命と引き換えにあらゆる願いの品を売る謎の店員。
霧の立ちこめる路地裏。看板の文字がない白い光のコンビニに、相沢直哉は吸い寄せられるように足を踏み入れた。
直哉「深夜2時ちょうど。いつもは空き地のはずの角に、見たことのないコンビニが開いていた。」
その瞬間、空気が凍りついた。棚に並ぶ商品のプライスカードには、日本円ではなく『寿命○日』『寿命○年』という赤い印字が並んでいた。
直哉「『疲労が完全に消える水:寿命3日』『1億円の当選券:寿命10年』……なんだこの値札は?」
レジの奥で蒼白な肌の店員が恭しく一礼する。直哉は棚の一番奥にあった小さな金の小瓶を手に取った。
深夜の店員「当店のお支払いはすべてお客様の残り寿命でございます。返品・返金はできませんが、いかがなさいますか?」
その瞬間、空気が凍りついた。迷わず小瓶をレジに置く直哉。店員が目を見張り、レジのスキャナーを通すと『残高不足(残り寿命:あと4時間)』の赤い警告が出る。
直哉「この『大切な人の病気が完治するキャンディ:寿命30年』をください。」
微笑む店員からキャンディを受け取った直哉が店を出ると、背後でコンビニは霧の中に消え、病院から『妹さんの容態が奇跡的に回復した』と電話が鳴り響いた。
深夜の店員・直哉「お客様は今夜、過労で倒れる運命でした。ですが妹様を想うその心に免じて、特売『寿命1分』にお値引きいたします。」
日常のわずかな綻びから始まった『深夜2時にだけ開くコンビニ』の真実は、静かな余韻を残して幕を閉じる。だが、彼らが選んだその先の未来はまだ誰も知らない。