『姉の傘を閉じてみたら、私だけ雨の中だった』
——家の中で雨?
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最初のフレームから、夜の居間で黒い傘のふちだけが激しく雨を落としている。乾いた壁と天井、晴れた夜空の窓を同時に見せ、屋外の雨ではないと即座に分かる構図。画面左の望は右端の傘を見て目を見開く。傘を持つ香織は画面右外。最初の字幕は「家の中で雨?」のみ。1秒後、傘の縁の近くに「傘を持つ姉・松本 香織 →」を追加する。字幕は望の顔と雨を避けて配置する。
松本 望「家の中で雨!? 止めなきゃ。」
香織は開いた黒い傘を差して右側に立ち、傘ではなく画面外の望を見る。名前と関係、場所と時刻を端の字幕で紹介する。髪と服は傘に守られて乾いている。
松本 香織「望、姉ちゃんはもう、ずっと傘を差したままなの。」
望は右の姉を見ながら、昨日までは普通だった部屋で傘を閉じれば解決すると考える。窓の外は晴れた夜空。
松本 望「昨日は普通だったよね。」
松本 望「その傘、閉じれば止まるかな。」
香織は傘の出どころと前の持ち主の変化を説明する。傘の内側にいる香織の顔と髪は乾いたまま。
松本 香織「昨夜、道でこの傘を渡されたの。」
松本 香織「渡した人だけ、すぐ乾いたの。」
望は姉が傘を持ち続けるのをやめさせ、傘を閉じて床を乾かすため、自分が持つと申し出る。まだ傘には触れない。
松本 望「私が持つよ。姉さんは休んで。」
松本 望「閉じて、床を乾かそう。」
右の香織から左の望へ、開いた黒い傘が渡る。香織は後ろ姿で、望の顔だけを大きく見せる。望は「私が持つね。姉さんは休んで」と言い、自分から受け取る。最後には望だけが持ち、傘のふちから雨が落ち続ける。
松本 望「私が持つね。姉さんは休んで。」
傘の外に出た香織はぬれない。姉は右の元の位置に立ち、画面外の望を見て、口を閉じたまま小さく息を吐く。望は画面外でまだ傘を開いており、「姉さん、傘がなくてもぬれないね」と気づく。姉を休ませるという望の目的が、いったんかなったように見える。
松本 望の声が響いた。「姉さん、傘がなくてもぬれないね。」
望が傘を閉じる。傘のふちからの水ではなく、望の頭上の空間から細い雨が降り続ける。閉じ切った傘を持つ望の前髪と肩がぬれる。最初の逆転。
松本 望「閉じたのに……傘じゃない。私に降ってる!」
感動の山: 怖さ。乾いた香織が画面外の望を見て、受け取った人へ雨が移る仕組みと、自分が渡した理由を一続きの台詞で明かす。平静な目、緩まない口元、動かない体。台詞は開始から4秒以内に言い切り、その後は口を閉じて1秒以上、望を見つめる。
松本 香織「自分で受け取ると、雨が移るの。だから渡したの。」
望はぬれたまま、閉じた黒い傘を画面外の姉へ差し出す。姉は画面外から受け取りを拒む。最後まで傘は望が持ったまま。
松本 望「なら、返す!」
松本 香織の声が響いた。「もう受け取らない。ぬれたくない。」
返却を拒まれた望は「もう姉さんには頼らない」と言い、自分を守るために閉じた傘を自分の上で開く。頭に当たる雨が遮られ、ふちから雨が落ちる。ぬれた前髪と肩は乾かない。画面左手前の望と、元の位置である画面右奥に乾いたまま立つ香織を同時に見せる。香織は後ろ寄りの姿で顔を大きく見せず、口を閉じたまま望を見る。望も台詞の後は口を閉じ、右の香織を見る。姉を助けようとした望が、もう姉に助けを求めず自分を雨から守る姿で終える。題名字幕は傘と顔を避けた下端に出す。
松本 望「もう姉さんには頼らない。」