『店長は新人の私が撮った写真をなぜ破れない?』
——写真を破れ?
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由美が写真を破らず胸元に守る。写真の白い裏だけを映す。カメラは首から下がっている。初秒の字幕は「写真を破れ?」だけ。名前と関係の紹介は次のカットへ移す。
佐藤 正男の声が響いた。「助手の写真は破れ。」
中村 由美「私にも撮らせて。」
正男が由美を見て、撮影を自分だけの仕事と決めつける。開始直後の字幕は場所・夜と、店長の正男、店員の由美という名前と関係だけを示す。
佐藤 正男「店長の俺が撮る。お前は雑用だけ。」
由美が写真を白い裏を上にして作業台へ置く。その隣には正男の家の鍵が置かれている。鍵には触れない。
佐藤 正男の声が響いた。「家の掃除、済ませた?」
中村 由美「はい。鍵はまだここです。」
正男は鍵を急いで回収しようとせず、返却を翌日に延ばす。
佐藤 正男「鍵は明日、返しといて。」
由美が首から下げたカメラを胸の高さまで持ち上げる。顔を隠さず、正男の方へ向けて無音で試し撮りする。写真と鍵は作業台に残る。
中村 由美「音を立てずに撮るのは得意です。」
正男が由美の技術を認めず、評価する権利も自分にあると言う。由美は画面外でカメラを胸の高さに保っている。
佐藤 正男「写真は見ない。新人の腕なんて信用できない。」
由美がカメラを胸の高さに保ったまま、空いた側で作業台の写真を取り上げて正男へ向ける。観客には白い裏だけが見え、表の文字や画像には頼らない。鍵は台に残る。
中村 由美「じゃあ、この写真を見てください。」
怖さの山: 由美が写真を正男へ向けたまま、掃除用の鍵で毎晩入り寝顔を撮っていたと言い切る。平静な目、笑わない口、動かない体。台詞の後は口を閉じ、無音の間を残す。発話終了時に低い効果音を一撃だけ入れる。
中村 由美「掃除の鍵で、毎晩寝顔を撮ってます。」
由美が掲げている同じ写真の表を、画面左手前に斜めから見せる。写っているのは目を閉じて眠る正男の顔のアップで、撮影場所は写っていない。写真は由美が持ったまま。画面右の正男は写真を見ている。画面外の由美が「破ったら、今夜また撮りに行きます」と告げると、正男は肩を縮め、写真を破れとは言えず鍵の返却を求める。口を閉じて終える。種明かし後の字幕で題名をそのまま出す。
中村 由美の声が響いた。「破ったら、今夜また撮りに行きます。」
佐藤 正男「鍵を返せ。」
由美は写真を保持したまま、胸の高さのカメラを正男へ向け直す。カメラは顔を隠さない。由美自身の顔を映して撮影の指示を出す。鍵は作業台に残す。
中村 由美「そこ、動かないでください。」
正男は由美のカメラを見つめたまま動かない。口は閉じたまま、目だけが怯えている。写真を破れと命じた人が、撮られる側として固まった絵で閉じる。字幕で由美の望みと正男が逆らえない理由を短く補う。追加の台詞・効果音はない。