『ソーンミア魔法学院』第1話「嫌いな奴と、半径3メートルの鎖』
——3m離れたら激痛!?
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学院の大中庭。貴族の首席・エララの右手首と平民の特待生・ノアの左手首の間で、紅金の魔法の雷鎖がピーンと張り詰めて火花を散らす。
その少し前、中庭での決闘演習。貴族の首席・エララが、平民の特待生・ノアを誇り高い目で睨みつける。
エララ・ヴォス「平民の特待生が、首席の私に指図しないで。」
頭上から重い鉄製の魔法灯(シャンデリア型の火鉢)が鎖から外れてエララへ落下する。ノアが咄嗟に飛び込み、左手でエララの右手首を掴んで引き寄せる。
ノア・ヴェイル「危ない、伏せろ!」
背後で落下した魔法灯が砕け散る中、ノアが掴んだエララの右手首とノアの左手首の両方に、古代黄金のルーン円環『魂縛の刻印』が鮮やかに浮かび上がる。
エララ・ヴォス「なに、この黄金の刻印……!?」
エララはノアの手を振り払って歩き出し、半径3メートルの境界線を越えてしまう。
エララ・ヴォス「気安く触らないで、離れるわよ!」
距離が3.1メートルに達した瞬間、二人の手首の黄金の刻印が深紅に変わり、激しい雷光が走って二人を焼けるような激痛で貫く。
エララ・ヴォス「きゃあああっ!? 手首が焼けるように痛い!」
輝く魔法の鎖がエララを背後へ強く引き戻してノアの胸元に衝突させ、半径3メートル以内に戻ると激痛がピタリと収まる。
ノア・ヴェイル「3メートル以上離れると激痛が走る『魂縛の契り』だ。」
中庭の重厚な扉が開き、銀髭の大審問官が魔法衛兵たちを率いて大股で中庭へ歩み出てくる。
ノア・ヴェイル「まずい……大審問官だ。」
銀髭の大審問官が二人の繋がれた手首に杖を突きつけ、貴族と平民の不法契約として7日後の審問会で強制切除すると宣告する。
大審問官「貴族と平民の不法契約! 7日後の審問会で強制切除する!」
強制切除されれば魔力を永久に失うと恐怖に震えるエララが右手首を抱え、ノアは落下する魔法灯から自分を救っただけだと必死に訴える。
エララ・ヴォス「強制切除って……魔力を永久に失うじゃない! 彼は落下する魔法灯から私を救っただけよ!」
ノアがエララを守るように半歩前へ踏み出し、魔力は失わせない、7日以内にこの鎖の秘密を暴くぞと力強く囁く。
ノア・ヴェイル「魔力は失わせない。7日以内に、この鎖の秘密を暴くぞ。」