【公式映像脚本】『婚約者の母が、私の顔を見て泣き崩れた』
キャッチコピー:秋の結婚式の三日前、初めて会った婚約者の母が、理奈の顔を見て泣き崩れた。差し出された古い写真には、五年前にいなくなった「前の婚約者」——理奈と同じ顔の女性が写っていた。
■ あらすじ
秋の結婚式の三日前、初めて会った婚約者の母が、理奈の顔を見て泣き崩れた。差し出された古い写真には、五年前にいなくなった「前の婚約者」——理奈と同じ顔の女性が写っていた。
■ 登場人物
・朝倉 理奈(lead / 五年前の事故より前の記憶がない会社員)
・霧島 宗太(lead / 理奈の婚約者)
・霧島 京子(support / 宗太の母。長く入院していた)
■ チャプター構成
[00:00] 母が泣き崩れた
[00:13] 五年前の事故
[00:30] 同じ顔の写真
[00:47] 川辺で
[01:03] 写真の裏
■ 本編カット割り台本
【シーン 1】
◆ s01(2秒)
ト書き:玄関。お辞儀をしかけた理奈が、足もとで崩れ落ちる誰かを見て固まる。
テロップ:[婚約者の母が、私の顔を見て——]
◆ s02(2.5秒)
ト書き:京子が床に崩れ、口を押さえて泣く。
テロップ:[泣き崩れた。]
霧島 京子「澪ちゃん……帰ってきたのね。」
◆ s03(2.5秒)
ト書き:題字は合成。
テロップ:[婚約者の母が、私の顔を見て泣き崩れた]
◆ s04(6秒)
ト書き:その十分前。金木犀の咲く石畳を、理奈と宗太が古い家の門へ歩いてくる。
テロップ:[結婚式まで あと3日]
朝倉 理奈(声)「秋の結婚式の三日前。初めて、彼のお母さんに会いに行った。」
【シーン 2】
◆ s05(4.5秒)
ト書き:門の前。理奈が左眉の細い傷に指先で触れる。緊張したときの癖。
朝倉 理奈(声)「五年前の事故より前のことを、私はほとんど覚えていない。」
◆ s06(5.5秒)
ト書き:宗太が首の後ろを掻いて、照れたように笑う。
霧島 宗太「母さん、長く入院してたんだ。やっと会わせられる。」
◆ s07(3.5秒)
ト書き:門の前。宗太が理奈のあごをそっと上げ、眉の傷にキスして、額を合わせる。唇が触れそうな距離。
朝倉 理奈(声)「過去がなくても、今の私には彼がいる。」
◆ s08(3.5秒)
ト書き:居間。京子は湯呑みを持つ手が震え、理奈から目を離せない。
霧島 京子「ごめんなさいね。あんまり、似ているから。」
【シーン 3】
◆ s09(4秒)
ト書き:京子の手の中の古い写真。夏の川辺で笑う、髪の長い女性——理奈と同じ顔。
霧島 京子(声)「息子の、前の婚約者。五年前に、いなくなったの。」
◆ s10(3.5秒)
ト書き:理奈の顔から血の気が引く。
朝倉 理奈(声)「写真の女性は、私と同じ顔だった。」
◆ s11(2秒)
ト書き:宗太が凍りつく。何か言いかける。
霧島 宗太「理奈、それは——」
◆ s12(3秒)
ト書き:理奈が指輪を外し、低い机に置く。
朝倉 理奈「私は、その人の代わりだったの?」
◆ s13(4.5秒)
ト書き:理奈が門を飛び出し、夕暮れの路地を走る。
朝倉 理奈(声)「式まで、あと三日。全部が嘘に見えた。」
【シーン 4】
◆ s14(3秒)
ト書き:川辺のベンチ。紅葉が散る中、理奈が一人で泣いている。
◆ s15(3秒)
ト書き:息を切らした宗太が、写真を手に駆けてくる。
霧島 宗太「代わりなんかじゃない!」
◆ s16(3.5秒)
ト書き:理奈が立ち上がり、涙のまま怒る。
朝倉 理奈「じゃあ、なんで黙ってたの!」
◆ s16b(4秒)
ト書き:背を向けて帰ろうとする理奈を、宗太が後ろから強く抱きしめる。
霧島 宗太「離さない。もう二度と、君を失いたくない。」
◆ s17(3秒)
ト書き:宗太が写真を裏返す。裏に手書きの字。
テロップ:[宗太へ 来年の夏も、この川で。 理奈]
霧島 宗太(声)「裏を、見て。」
【シーン 5】
◆ s18(2.5秒)
ト書き:理奈が裏の字を読み、口もとに手を当てる。
朝倉 理奈(声)「私の字だった。」
◆ s19(5.5秒)
ト書き:宗太が静かに打ち明ける。
霧島 宗太「澪は、俺がつけた呼び名だ。事故のあと、君は俺を全部忘れた。」
◆ s20(3.5秒)
ト書き:宗太が少しだけ笑う。
霧島 宗太「だから、初めましてから、もう一度やり直した。」
◆ s21(4秒)
ト書き:夕暮れの川辺。理奈が宗太を引き寄せ、長く優しいキス。
テロップ:[写真の女性は、五年前の私だった。]
朝倉 理奈(声)「……二回も、私を選んだの?」