『夫にクビにされた私、夫の会社の持ち主でした』第1話「妻をクビにした夫』
——ダニエル・リード(エマの夫・CEO)
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会議室。超接写。CEOのダニエル・リードが妻エマの胸元に解雇通知書を押し付ける。赤いFIREDの文字。背後で愛人のヴァネッサ・コールがダニエルに密着している。
ダニエル・リード「お前はクビだ!今日から彼女が俺の恋人だ。」
会議室のワイド。社員たちが見守る中、エマだけがテーブルのこちら側に立たされている。
エマ・ヘイル「ダニエル……私はあなたの妻よ。」
ダニエル・リード「職場では違う。ここでは俺が上司だ。」
エマが約束を口にする。ダニエルは解雇書類を指差す。
エマ・ヘイル「この会社を一緒に育てようって、約束したじゃない。」
ダニエル・リード「俺は社長だ。この会社を回してるのは俺だ。仕事の上で、お前はもう俺の部下じゃない。」
ヴァネッサがダニエルの腕に手を回し、勝ち誇る。
ヴァネッサ・コール「それに、あなたのオフィスは今日から私のものよ。」
エマ・ヘイル「どうしてその人が、あなたに触ってるの?」
ダニエル・リード「前から付き合ってた。今日、みんなに言うと決めたんだ。」
ダニエルが不倫を公表する。周囲の社員が息を呑む。
ダニエル・リード「彼女を愛してるからだ。エマ、お前とは別れる。」
エマ・ヘイル「夫であり、社長のあなたが、恋人を連れてきて、みんなの前で私をクビにしたのね?」
ダニエル・リード「そうだ。」
ダニエルがエマの私物の箱をテーブルへ滑らせる。ヴァネッサが勝ち誇って笑う。
ダニエル・リード「荷物を持って出ていけ。警備員が外まで送る。」
ヴァネッサ・コール「かわいそうなエマ。夫もいない、仕事もない。」
エマは私物の箱を静かに床へ置き、冷静に二人を見る。
エマ・ヘイル「二人とも、そんなに楽しいの?」
ダニエル・リード「お前が思う以上にな。」
エマ・ヘイル「そんなに笑ってると、あとで後悔するわよ。」
エマが笑い出す。ダニエルの笑顔が消える。ダニエルは、ノーススターはエマの父ロバートが作ったと言う。
エマ・ヘイル「ダニエル、メリディアンの持ち主は誰?」
ダニエル・リード「ノーススターがメリディアンの親会社で、この会社の60%を持ってる。お前の父が作って、今は弁護士が管理してる。」
エマが問い返し、ジャケットのポケットからクリーム色のケースのスマホを取り出す。
エマ・ヘイル「じゃあ、ノーススターの持ち主は?」
ダニエル・リード「お前の父親の弁護士たちが管理してる。それがどうした?」
スマホの画面に「ノーススター・ホールディングス — 単独所有者:エマ・ヘイル」。エマが8年前に父から譲られたと告げる。
エマ・ヘイル「父は8年前、ノーススターを私に譲ったの。持ち主は、私ひとり。」
ダニエル・リード「何だと?」
エマが議決権60%を握っていると告げる。ヴァネッサが叫ぶ。
エマ・ヘイル「この会社の60%は、私のものよ。」
ヴァネッサ・コール「嘘よ!」
エマが解雇通知書をダニエルの目の前のテーブルに置き直し、目を離さない。誰も何も言わない間。
エマが一歩近づく。ダニエルは言葉を失う。ヴァネッサは右端へ下がり、息を止めて固まっている。
エマ・ヘイル「社長を決めるのは取締役会よ。私には、その取締役会を入れ替えられるだけの議決権がある。今度は私が決める。私の会社を、誰に任せるか。」