『私だけ町を出るのに、彼の手にも旅行かばん』
——見送りなのに?
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望は左、悠斗は右。望は自分の閉じたクリーム色の旅行かばんを持ち、背中向きの悠斗が持つ閉じた茶色の旅行かばんを見て、驚いて問いかける。冒頭から「見送りなのに?」を表示し、見送る側まで荷造りしている異常を二つのかばんで見せる。出発の説明は1.2秒から表示する。
福山 望「見送りなのに、そのかばん?」
右にいる悠斗が左の画面外の望を見る。閉じた茶色の旅行かばんは持ったまま。名前と関係、場所と時刻を上部の字幕で紹介する。
前田 悠斗「望、この店で一緒に働けてよかった。」
左の望が右の画面外の悠斗を見つめる。閉じたクリーム色の旅行かばんを左手で持ち、画面下端に見せる。悠斗の旅行かばんを見た望は、同行よりも地元で開店する夢を選んでほしいと、静かにはっきり伝える。この願いが、後半で同行を断って遠距離交際を選ぶ理由になる。
福山 望「悠斗、ついて来るより、ここで店を開く夢を叶えて。」
悠斗は自分の店の話に直接答えず、望の修業先を一緒に探したことを口にする。平静な顔だが視線をわずかに落とし、好意は言わない。
前田 悠斗「君の修業先、一緒に探せてよかった。」
望は閉じたクリーム色の旅行かばんを持ったまま、右の悠斗を見て、会えなくなる寂しさを初めて漏らす。
福山 望「修業が終わるまで、会えないね。」
悠斗は左の望に視線を戻す。友達のままでは待ちたくないと言い、関係を終えるようにも聞こえる間を作る。
前田 悠斗「友達のまま、待つのは嫌だ。」
望は右の悠斗を見つめたまま、友達としても終わりなのかと確かめる。泣いたり大きく崩れたりはしない。
福山 望「じゃあ、これでお別れ?」
悠斗は閉じた茶色の旅行かばんを持つ姿のまま、恋人として同行したいと告げる。自分の店は後回しにするつもりだとも明かす。
前田 悠斗「恋人として、一緒に行きたい。」
前田 悠斗「俺の店は、後でいい。」
感動の山: 望は右の悠斗に向け、同行を断りながら離れて付き合おうと提案する。決め台詞を言い終えてから、口を閉じて相手の返事を待つ無言の間を残す。
福山 望「夢はやめないで。離れて付き合おう。」
悠斗は左の望を見てうなずき、自分の閉じた茶色の旅行かばんを右側の床へ置く。最後のコマではかばんが床に着き、もう持っていない。
前田 悠斗「わかった。俺はここで店を開く。」
望は左壁の開いた戸口の手前で右の悠斗へ言葉を返してから、閉じたクリーム色の旅行かばんを持って戸口の外へ出る。悠斗の返事は画面外。最後は望が完全に出た戸口を映し、恋人としての合意と出発を完了する。
福山 望「帰ったら、最初のお客にして。」
前田 悠斗の声が響いた。「うん。恋人として待ってる。」