『手首を引かれる私、赤いリボンの先が見えない』
——外れない!
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冬子の左手首が、カウンターの下へ伸びる赤いリボンに引かれる。最初の字幕は「外れない!」だけ。
三浦 冬子「外したい!なんで引っぱるの?」
信夫の顔の寄り。試着後にリボンを結んだ経緯を説明し、空いた飾り用のくぼみへ視線だけを向ける。手元と冬子は画角に入れず、リボンの先はまだ見せない。
三宅 信夫「試着のあと、俺が結んだリボンね。」
冬子がリボンを目でたどる。長い端がカウンターの下へ続いていると分かる。
三浦 冬子「勝手に動いてる……先は下?」
信夫の顔だけを寄りで見せ、結び目が固いと説明して切ることを勧める。手元の動作は見せず、「止まる」の主語も言わない。
三宅 信夫「結び目が固いから、ハサミで。」
三宅 信夫「切れば止まる。自分で切って。」
冬子の顔と右手、カウンター上のハサミに画角を絞る。右手でハサミを取り、まだ切らずに画角下のリボンへ視線を落とす。左手首とリボンの張りはこのカットでは見せない。
冬子の顔の寄り。画角下のリボンから画面右の店主へ視線を上げ、引っぱっているのか確かめる。店主も手元も画角に入れない。
三浦 冬子「あなたが引っぱってるんじゃない?」
低い画角で、信夫がカウンター下でリボンの長い端を握っていたと初めて見せる。信夫はその端をカウンターの高さまで上げる。画面外の冬子が、勝手に動くリボンではなく信夫に引かれていたのだと気づく。信夫は口を閉じたまま冬子を見る。
三浦 冬子の声が響いた。「勝手に動いてたんじゃない。あなたが引いてたのね。」
冬子は店主とのつながりを断つため、手首から離れた位置のリボンをハサミで切る。切断が完了した状態まで見せる。
三浦 冬子「あなたから離れるために、私が切る。」
感動の山: 冬子は姿勢と腕が切った直後の位置で止まる。目だけが恐怖で見開かれる。店主の決め台詞のあと、無音を残す。
三宅 信夫の声が響いた。「止まるのは、あなたの体だよ。」
信夫の顔の寄り。切断された長い端は持ったまま画角外に置き、冬子を新しい店の飾りにしたかったと明かす。冬子はこの画角には入れない。
三宅 信夫「自分で切った人が、店の飾りになる。」
三宅 信夫「新しい飾りが欲しくて、切らせた。」
空いていた飾り用のくぼみを背に、冬子は切った姿勢のまま動けない。手首の切断片とハサミが残る。字幕で、冬子は二度と動ける体に戻らず、店の飾りとして残されると明示して閉じる。