『夫にクビにされた私、夫の会社の持ち主でした』第5話「愛人に罪を着せた夫』
——愛人に罪を着せた夫
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財務室。ダニエルが社員たちの前でヴァネッサを指差す。
ダニエル・リード「こいつは泥棒だ!」
財務部のミーティング。ヴァネッサが聞き返す。ダニエルは8万ドルの支払いを承認したのは彼女だと言う。
ヴァネッサ・コール「今、私を何て呼んだの?」
ダニエル・リード「あの8万ドルの支払いを承認したのは、お前だ。社員の金を盗んだのはお前だ。」
ヴァネッサが叫び返す。あなたがそうしろと言った。
ヴァネッサ・コール「あなたが「アスターに8万ドル払え」って指示したからでしょ! その金はどこにも届いてないわ。」
ヴァネッサ・コール「盗んだんじゃない。指示どおりに払ったの。」
ダニエルは経費の申請は通したが盗めとは命じていないと言い、カメラは一台も届いていないと詰め寄る。ヴァネッサは警備の経費だと言われたと返す。
ダニエル・リード「承認したのは事実だろ。俺は盗めとは言っていない。」
ヴァネッサ・コール「あなたが「アスター・セキュリティへ8万ドル払え」って言ったのよ! 盗めなんて、一言も言ってない。」
ダニエル・リード「カメラは一台も届いていない。金はどこに消えた?」
ヴァネッサ・コール「私は盗んでなんかない。指示どおりに払っただけ。」
ダニエルは新しいカメラの場所を説明しろと迫り、説明できるまで財務チームから外すと言い渡す。ヴァネッサは言葉を失う。
ダニエル・リード「俺がこのオフィスの防犯カメラを、先月、アスターに発注した。それで8万ドルだ。」
ダニエル・リード「そのカメラはどこにある? 説明できるまで、財務チームから外れてもらう。」
ダニエル・リード「これで終わりだ。会議は解散。」
会議の外、廊下に出た二人。ヴァネッサがダニエルを追いかける。
ヴァネッサ・コール「あなたのために、全部捨てたのに!」
ダニエル・リード「もっと用心すべきだったな。」
ダニエル・リード「いろいろ言ったさ。」
ヴァネッサが愛していると言ったはずだと責める。ダニエルは冷たく言い捨てて去る。
ダニエル・リード「愛してるって言ったさ。だが、もう終わりだ。」
ヴァネッサ・コール「愛してるって、言ったじゃない。」
廊下でエマの前に、ヴァネッサが立つ。エマは用があって来たと言う。
エマ・ヘイル「ヴァネッサ。少し話せる? 会議のあと、廊下であなたを待ってたの。」
ヴァネッサ・コール「ダニエルは、みんなに嘘をついてた。私も、その嘘を手伝った。」
エマ・ヘイル「私の夫のダニエルが、あなたを愛人にして、あの支払いを承認させたのね。」
エマ・ヘイル「この会社は、私のものよ。持ち主として、あなたに聞くわ。」
ヴァネッサが間違いを認め、スマホを取り出す。
ヴァネッサ・コール「エマ、その言い方……本当に、あなたが会社の持ち主なの?」
ヴァネッサ・コール「わかってる。私が間違ってた。」
エマ・ヘイル「まず、説明して。」
ヴァネッサは、ダニエル自身が指示を送ってきたと確認させる。全部残っていると言う。
ヴァネッサ・コール「あの支払いは、ダニエル本人が「アスターに払え」とメールで指示してきたの。盗めなんて、一言も書いてない。全部残ってる。」
エマ・ヘイル「見せて。」
ヴァネッサは元のメールを取ってあると言う。エマは調査する人たちに渡すよう求める。
ヴァネッサ・コール「彼のメールを取ってある。元のままのを。アスター・セキュリティへの支払いの指示も。」
エマ・ヘイル「なら、調査する人たちに渡して。私だけじゃなく。」
スマホの画面。件名「アスター・セキュリティ — 十月九日の映像」。
ヴァネッサ・コール「件名は「アスター・セキュリティ — 十月九日の映像」。あの日、倉庫で何かがあったの。それを隠すお金よ。」
エマ・ヘイル「十月九日の、倉庫の映像…?」
ヴァネッサが告げる。8万ドルはカメラのためではなく、ひとつの録画を秘密にするためだった。
ヴァネッサ・コール「あの8万ドルは、カメラのためじゃなかった。」
エマ・ヘイル「ええ、知ってる。十月九日の映像を秘密にするためのお金でしょう。」
ヴァネッサ・コール「……そこまで、わかってたのね。じゃあ、映像そのものは? 私は見ていない。」
エマ・ヘイル「私も見ていない。だから、私たちで確かめましょう。」