『私を捨てた夫が、私の会社に面接に来た』第1話「結婚相手は、8年前に消えた元カレでした』
——浮気して私を捨てた夫が、面接に来た。
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面接室。椅子に座った健太が、向かいの面接官・美咲の顔を見た瞬間に驚愕して固まる。
高橋 健太「お、お前……なんでここに!?」
高橋 美咲「面接を始めます。」
美咲の冷静な顔のアップ。机の上に履歴書バインダー。二人が元夫婦だと一発で伝える。
高橋 美咲「3年ぶりね。元夫の健太さん。」
高橋 健太「お前が採用責任者!?」
少し暗い自宅玄関。スーツケースを持つ健太の隣に若い不倫相手・梨花。美咲に冷たく離婚を突きつける。
高橋 健太「俺は梨花と暮らす。離婚してくれ。」
高橋 美咲「私たち、結婚してるんだよ……?」
梨花が健太の腕を組み、二人で美咲を見下して玄関から出ていく。
高橋 健太「お前より梨花の方がいいんだよ。」
佐藤 梨花「ごめんなさいね。」
明るい面接室へ戻る。美咲は事務的に履歴書を確認し、健太は冷や汗を拭いて小声で懇願する。
高橋 美咲「今は失業して、仕事を探してるのね。」
高橋 健太「……ああ。頼む、美咲。」
健太が身を乗り出して謝れば雇ってもらえると勘違いするが、美咲は一刀両断する。
高橋 健太「昔は悪かった! だから俺を雇ってくれ!」
高橋 美咲「私への謝罪と採用は、別の話よ。」
美咲が履歴書の「営業経験10年・営業成績1位」の欄を指し、具体的な業務内容を質問する。
高橋 美咲「履歴書には『営業経験10年・成績1位』とありますね。」
高橋 健太「ああ。俺は優秀だったからな。」
高橋 美咲「では、法人向けと個人向け、どちらの営業でしたか?」
健太が目を泳がせ、「営業は一度もやったことがない」と自分で墓穴を掘って経歴詐称を自白してしまう。
高橋 健太「えっと……実は営業は一度もやったことないんだ。よく見られたくて書いただけだよ。」
美咲がペンを置き、経歴詐称を理由に「本日の面接では採用を推薦できません」と告げる。健太が逆ギレする。
高橋 美咲「明らかな経歴詐称ですので、本日の面接では採用を推薦できません。」
高橋 健太「元妻だからって、仕返しかよ!」
美咲がまっすぐ健太を見据え、「あなたが私を捨てたことと面接に落ちたことは関係ない。あなた自身の答えで決まったの」と言い放つ。
高橋 美咲「あなたが私を捨てたことと、面接に落ちたことは関係ない。あなた自身の嘘で決まったの。」
健太が履歴書を握りしめて立ち上がり、悔しそうに面接室から出ていく。
高橋 健太「くそっ……!」
高橋 美咲「面接は以上です。」
面接室から出た廊下で健太のスマホが鳴る。電話口の梨花から「私、妊娠してるの」と告げられ、無職の健太が絶望で凍りつく。
佐藤 梨花「ねえ、仕事決まった? 私、妊娠してるの。」