【公式映像脚本】『神託機関/ツクヨミ』第4話「承認の声は、一年前のミオだった』
キャッチコピー:配管通路の出口/執行官イサク
■ 登場人物
・ミオ(白い衣装、黒髪の巫女。死刑令を緊急再審で止められるほか、都市の重大な承認権を変更できる主人公)
・レイ(黒い作業服、黒髪の青年。ミオの恋人。声を売った過去があるが、都市破壊については無実)
・父ツグミ(灰色の法衣を着た大訳官(ミオの父)。レイを犯人とする偽証拠を信じ、最初の処刑を承認した)
・ツクヨミ(AI)(赤い月型の光。都市を監視・予測・管理する冷静な合成音声AI)
・ヨミ(ミオのもう一人の人格。6歳の同調の儀で生まれた。ミオと同じ身体・顔・衣装で、姿勢・首の傾き・片側だけの笑み・左利き・低い声で区別する。画面上の人物IDは常に mio(別人として描かない)。)
・イサク(銀色の装甲を着た執行官。電子式執行銃を持つ。命令には従うが、目の前の事実を自分の目で確かめる男)
■ 本編カット割り台本
【シーン 1】
◆ s01(4秒)
ト書き:配管通路の出口。赤い光の差す積み込み口から、執行官イサクが電子式執行銃を構えて通路口に踏み込み、立ちはだかる。
テロップ:[配管通路の出口/執行官イサク]
イサク(声)「AIの命令だ。二人とも、動くな!」
◆ s02(6秒)
ト書き:ミオはまだもう一人のまま、イサクの銃を持つ手を見つめている。レイが名前を呼ぶと、ミオの目が一瞬揺れ、首の傾きがまっすぐに戻って、ミオに戻る。ヨミが奥へ引っ込み、ミオがこめかみに手を当てる。恋人に裏切られたと知ったばかりのミオは、レイから一歩離れて立つ。
テロップ:[白い衣装の巫女ミオ/黒い作業服の青年レイ――恋人どうし]
テロップ:[ミオの中のもう一人「ヨミ」――レイの呼び声でミオに戻る]
レイ(声)「ミオ!」
イサク(声)「レイも逮捕する。」
レイ「名前を呼べば、君の中のヨミは引く。」
ミオ「……戻ったの?」
◆ s03(6秒)
ト書き:レイが両手を上げる。ミオは傷ついた顔のまま、恋人を見る。
テロップ:[レイが売った、録音されたミオの声。 / AIはその声で二人の射撃を承認しようとしている。]
レイ(声)「君の声の録音を売った。でも、街は壊してない。」
ミオ(声)「……あなたは、私を裏切った。」
◆ s04(6秒)
ト書き:イサクの執行銃の小さな表示が赤く光る。銃の側面にAIの赤い月が映る。
テロップ:[ツクヨミ(AI)――街を監視・管理する声]
テロップ:[執行銃は、巫女の声で承認されるまで撃てない]
ツクヨミ(AI)(声)「執行官イサク。中央の許可は完了。巫女の音声承認を送信します。」
◆ s05(6秒)
ト書き:イサクの銃のスピーカーが赤く光り、そこからミオの声が流れてロックが外れる。ミオは口を閉じたまま、イサクを正面から見る。
テロップ:[銃のスピーカーから、ミオの声が流れる]
ミオ(声)「射撃を承認します。」
◆ s06(6秒)
ト書き:イサクの指が引き金にかかる。だが、口を閉じたミオと銃から流れる声を見比べ、指を止める。ミオは黙って彼を正面から見返す。
イサク「……同じ声なのに、本人は口を閉じている。……本物か、どうか、確かめる。」
◆ s07(6秒)
ト書き:レイがミオの前に立ちはだかる。ミオは彼を押しのけ、壁の黄色い消火用散水弁に気づく。レイは作業員証をポケットにねじ込む。
レイ「作業員証で通れる。俺を撃て、彼女は逃がせ!」
ミオ「勝手に決めないで!」
◆ s08(7秒)
ト書き:ミオが左手で消火用散水弁を回す。弁は加圧式の消火本管に直結しており、配管が天井ノズルへ続いて、白い水の霧が噴き出して通路が見えなくなる。
ミオ(声)「この弁を回せば、水が出る!」
ミオ(声)「レイ、イサクの脇、左!」
◆ s09(7秒)
ト書き:白い霧の中、イサクは顔を腕で覆ってよろめき、出口から背を向ける。二つの影がその脇の隙間を走り抜けて出口から消える。イサクは撃たず、銃を下ろす。
テロップ:[執行官イサクは、撃たなかった]
イサク「見えない相手は撃たない。」
◆ s10(6秒)
ト書き:霧が薄れはじめ、イサクが霧の通路へ向き直る。同時に、下ろした銃の表示面を袖でぬぐい、承認記録を開く。記録には『再審によりログ初期化/声紋を本案に再紐付け』とあり、承認音声は一年前に録音されたミオ本人の声と分かる。イサクは、録音を頼んだ人格がヨミだったのかと疑う。
テロップ:[承認記録:ミオ本人の声/一年前の録音 / 再審でログ初期化・声紋を本案に再紐付け]
テロップ:[録音を頼んだのはミオ? / それとも、ミオの中のもう一人「ヨミ」?]
イサク(声)「ミオの声だ……録音を頼んだのは、ヨミか?」