【公式映像脚本】『先生はなぜ助けを呼ぶ練習だけ繰り返させるの?』
キャッチコピー:助けての練習?
■ 登場人物
・前田 聡子(帰宅したい役者志望の女性。佳代の演技指導を受けている。)
・村上 佳代(演技の先生。聡子をずっと自分の生徒にしておくため、助け声を練習に聞こえさせる。)
・遠藤 正人(佳代の隣人。最初は声を心配するが、演技の練習だという説明を信じる。)
■ 本編カット割り台本
【シーン 1】
◆ s01(4秒)
ト書き:開いたドアへ帰ろうとする聡子の前に、佳代が穏やかに立っている。佳代の下げた手には鍵。聡子は帰宅を望み、練習の偏りを問いただす。
テロップ:[助けての練習?]
テロップ:[夜・佳代の部屋]
前田 聡子「帰りたい。なんで助けての練習ばかり?」
◆ s02(5秒)
ト書き:聡子と佳代の名前と関係を紹介。佳代は開いたドアの外へ視線を向け、声を外まで届かせるように促す。聡子は指導だと思い、渋々応じる。
テロップ:[役者志望の前田聡子 / 演技の先生・村上佳代]
村上 佳代「外まで聞こえるように、もう一度。」
【シーン 2】
◆ s03(5秒)
ト書き:同じ夜の廊下。聡子の練習の声に、隣人の正人が来る。佳代は部屋から出て対応する。聡子は部屋の中に残り、画面には映らない。
テロップ:[同じ夜・部屋の前の廊下 / 佳代の隣人・遠藤正人]
前田 聡子(声)「助けて!」
遠藤 正人「今の声、大丈夫ですか。」
◆ s04(5秒)
ト書き:佳代は心配を解くように演技の練習だと説明する。夜まで声がしても気にしないよう仕向ける。正人は納得して隣の自室へ向き直る。
村上 佳代「演技の練習です。夜までやります。」
遠藤 正人「そうでしたか。」
【シーン 3】
◆ s05(5秒)
ト書き:佳代が部屋へ戻る。聡子は開いたドアの方を見て、また練習をさせられる理由を問う。題名をテロップでそのまま示す。
テロップ:[同じ夜・佳代の部屋 / 先生はなぜ助けを呼ぶ練習だけ繰り返させるの?]
前田 聡子「もう終わりですよね。帰ります。」
◆ s06(5秒)
ト書き:佳代がドアを閉め、持っていた鍵で内側の錠をかける。細かい指先ではなく、ドアを背にする佳代の表情と聡子の戸惑いを見せる。施錠後も佳代は鍵を持つ。
村上 佳代「これ、私の部屋の鍵。」
◆ s07(5秒)
ト書き:聡子がドアの取っ手を引くが開かない。佳代は横に立ったまま鍵を渡さない。聡子は初めて自分が帰れないと理解する。
前田 聡子「鍵、開けて。帰れない。」
◆ s08(5秒)
ト書き:怖さの山: 佳代が帰さない意図と練習の本当の目的を明かす。決め台詞の終わりに低い効果音を一撃。以後は音楽も止め、笑みだけを見せる無言の間を少なくとも一秒半残す。
村上 佳代「帰さない。助けては練習に聞こえる。」
◆ s09(5秒)
ト書き:聡子は閉じたドアへ顔を寄せ、今度は本当に助けを求める。扉を叩かず、声だけが廊下へ届く。佳代は部屋の中に残るが映さない。
前田 聡子「助けて! 練習じゃありません!」
【シーン 4】
◆ s10(5秒)
ト書き:同時刻の廊下。声を聞いて自室から顔を出した正人が、佳代の説明を思い出した様子で肩を緩める。助けには行かず、隣の自室へ戻ってドアを閉める。
テロップ:[同じ夜・部屋の前の廊下]
遠藤 正人「また練習か。本当に聞こえるな。」
【シーン 5】
◆ s11(5秒)
ト書き:隣のドアが閉まる音を聞き、聡子は助けが来ないと分かってドアから顔を離す。佳代は鍵を持ったまま穏やかな先生の口調に戻り、聡子を手放さない理由を言い切る。閉じたドアと二人を残して終了。
テロップ:[同じ夜・佳代の部屋]
村上 佳代「ずっと私の生徒でいてね。」