【公式映像脚本】『MY IDOL HATES ME』第7話「笑顔の値段』
キャッチコピー:晴(広報担当)
■ 登場人物
・律(26歳・182cm。リーダー、静かな統率。練習生費用を肩代わりし事務所に借りがある。)
・海(25歳・180cm。語学・交渉。鏡室の報告役を強制され、蓮を守るため偽装している。蓮の恋人(相思相愛)。)
・蓮(24歳・179cm。主人公、新センター、観察眼。元練習生キリの復帰を願い、海との秘密の恋を隠す。)
・晴(27歳・181cm。広報担当、世話焼き。編集した蓮の声を脅しの素材として再生した。庇護と管理を混同。)
・伊織(26歳・183cm。振付師、寡黙。マイクの点灯と録音を見抜く。新曲振付の作者名を奪われた。)
・ユウ(22歳・174cm。最年少、明るいが不眠。家族宛の架空費用請求で支配されている。)
・都(39歳女性。玻環芸能の統括責任者。請求と露出で従属を迫る。仕事の予定のように脅す。)
■ 本編カット割り台本
【シーン 1】
◆ s01(1秒)
ト書き:笑顔を作ろうとする蓮の口角が途中で止まる。晴の指が画面外から椅子の背を軽く叩く。/椅子を叩く乾いた一音。BGMなし。
テロップ:[晴(広報担当)]
テロップ:[蓮(新センター)]
晴「笑え。」
◆ s02(6秒)
ト書き:蓮はレンズを見ず、晴の目を捉える。晴は画面の再生を止めてから答える。/動画停止の小さいタップ音。部屋の換気音を残す。
蓮「俺の声、切ったのは?」
晴「俺だ。守るつもりだった。」
◆ s03(8秒)
ト書き:波形には離れた二箇所の切断点。晴は画面を伏せようとし、蓮の視線で手を止める。/加工音声は再生しない。端末ケースが机に触れる音だけ。
蓮「『消えていい』だけ抜いて、何を守った?」
晴「お前が謝れば、今夜は出られる。」
◆ s04(8秒)
ト書き:晴は紙をレンズ横へ持ち上げる。蓮は受け取らず、椅子から立つ。/紙が震える音。立つ際の衣装の擦れ。
晴「読んで。『全部、僕が悪かった』。」
蓮「してないことに、謝れない。」
◆ s05(8秒)
ト書き:海は蓮に触れず、黒い手袋の掌を晴に向けて止める。奥のユウは笑顔のまま爪先を揺らしている。晴がその不自然な笑顔に気づく。/爪先の微かな床音。音楽で感情を誘導しない。
テロップ:[ユウ(最年少)]
テロップ:[海(蓮の秘密の恋人)]
海「その紙を、蓮に渡すな。」
晴「俺は、何を守ってたんだろう。」
◆ s06(8秒)
ト書き:晴が謝罪文を裏返し、スマートフォンのカメラを閉じる。蓮は出口へ逃げず、自分で椅子の向きを変えて晴に向き合う。/端末ロック音。紙を置く音。
晴「撮らない。まず、俺が話す。」
蓮「聞く。でも、俺の代わりに決めるな。」
◆ s07(8秒)
ト書き:晴は端末を伏せ、両手を見える位置に置く。蓮は目を伏せず、返事の後に一歩距離を取る。/換気音を少し落とし、肉声を近くする。
晴「声を切って、脅しにした。ごめん。」
蓮「許すかは、俺が決める。」
◆ s08(10秒)
ト書き:伊織が人差し指を口元から離し、卓上マイクを指す。晴は伏せたスマートフォンと点灯中のマイクを見比べる。/小さな通話回線のノイズが初めて聞こえる。
テロップ:[伊織(振付師)]
伊織「カメラじゃない。マイクが生きてる。」
晴「俺の操作じゃ、切れない。」
◆ s09(10秒)
ト書き:律が伊織と視線を交わす。伊織が端子を指示し、律が収音側だけを物理的に抜く。赤が消える。別系統の緑の通話ランプは点灯したまま。晴は言い訳せず蓮の前から半歩下がる。/端子を抜くカチリという音。その後、一秒の静寂。
テロップ:[律(リーダー)]
◆ s10(8秒)
ト書き:スピーカーから声。晴が消えたマイクを見て、すでに遅かったと理解する。蓮は晴から目を離さない。/都の声はこの回線から乾いた質感で。言葉の後に短い回線切断音。
テロップ:[都(事務所の責任者)]
テロップ:[第7話『笑顔の値段』]
都「その告白も、録れた。」