『FINAL 7』第1話「十枚の権利』
——FINAL 7』第1話「十枚の権利
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白枠のチェキ二枚が机に置かれる。客Aの声「断らないよね?」。タイマーの始動音。タイトルはまだ出さない。
客A「断らないよね?」
HINATA、サインを書きながら笑う。客A(画外)「今日、もう十枚。終わったら二人で飯くらい行けるよね」 HINATA「今日も、たくさん来てくれたね」
客A「今日、もう十枚。終わったら二人で飯くらい行けるよね」
ヒナタ「今日も、たくさん来てくれたね」
券受けには今回の二枚だけ。累計十枚の台詞を一括出しと誤認させない。
客A「それ、返事?」 HINATA、ペンが止まる。「……いつも応援してくれて、ありがとう」
客A「それ、返事?」
ヒナタ「……いつも応援してくれて、ありがとう」
客A「じゃ、連絡先。誰にも言わないから」 笑い皺だけが残る。HINATAはスマホを受け取らない。
客A「じゃ、連絡先。誰にも言わないから」
隣のレーンからKOKOROの声「個人的なお約束はできません」
ココロ「個人的なお約束はできません」
客A「ヒナタに聞いてるんだけど」 HINATA、視線を上げられない。
客A「ヒナタに聞いてるんだけど」
KOKORO、一拍。「会場のルールです」 遠くのシャッター音を一度。
ココロ「会場のルールです」
客Aが今回の会話を途中で切り上げる。客A「じゃ、推し変しよっかな」 HINATA「……また、ライブでね」
客A「じゃ、推し変しよっかな」
ヒナタ「……また、ライブでね」
客が去る。HINATAは別の券を待つ姿勢に戻り、笑顔を作る。
KOKOROの視線が刺さる。
YUZUのスマホが震える。投稿画面「昨日のココロの鍵閉め、90秒だった。俺だけ?」
YUZU、KOKOROを見る。KOKOROは気づかず笑っている。
60秒終了の電子音。話数タイトル。