【公式映像脚本】『神託機関/ツクヨミ』第2話「処刑炉から恋人を救え』
キャッチコピー:赤い光で別の私
■ 登場人物
・ミオ(白い衣装、黒髪の巫女。死刑令を緊急再審で止められるほか、都市の重大な承認権を変更できる主人公)
・レイ(黒い作業服、黒髪の青年。ミオの恋人。声を売った過去があるが、都市破壊については無実)
・父ツグミ(灰色の法衣を着た大訳官(ミオの父)。レイを犯人とする偽証拠を信じ、最初の処刑を承認した)
・ツクヨミ(AI)(赤い月型の光。都市を監視・予測・管理する冷静な合成音声AI)
・ヨミ(ミオのもう一人の人格。6歳の同調の儀で生まれた。ミオと同じ身体・顔・衣装で、姿勢・首の傾き・片側だけの笑み・左利き・低い声で区別する。画面上の人物IDは常に mio(別人として描かない)。)
■ 本編カット割り台本
【シーン 1】
◆ s00(1秒)
ト書き:前話の直後。AIの赤い同期光を浴びたミオの姿勢が伸び、首が少し右へ傾く。同じ顔のままヨミが表に出ている。光が顔から外れ、下のレイが「ミオ!」と呼ぶ。その声で首と姿勢が戻る。
テロップ:[赤い光で別の私]
レイ(声)「ミオ!」
◆ s01(3秒)
ト書き:処刑炉へ降りるカゴの中で、レイが拘束された両手で扉をたたく。手首の拘束具とカゴの扉のロックが見える。上からミオの救出を急ぐ声。叫びの後に二人の関係と処刑炉まで残り25秒を示す。
テロップ:[恋人の巫女ミオが救出へ / 黄色い梯子の先に手動ブレーキ]
テロップ:[処刑炉の縦坑/ミオの恋人レイ / AIツクヨミがカゴを降下/処刑炉まで残り25秒]
ミオ(声)「レイ! 今、助ける!」
レイ「扉が開かない!」
【シーン 2】
◆ s02(5秒)
ト書き:上の審判室。ガラスの操作室から出られない父ツグミが、黄色い梯子の先の点検足場に手動ブレーキがあると教える。ミオは恋人レイを助けるため、その黄色い梯子を降りる。
テロップ:[上の審判室/ミオの父・大訳官ツグミ / 父はガラスの操作室から出られない]
テロップ:[レイを処刑しようとするAIツクヨミ / AIツクヨミがミオの承認権を奪い、処刑を早めた]
ミオ「お父さん!」
父ツグミ「黄色い梯子の先、足場の手動ブレーキだ!」
【シーン 3】
◆ s03(5秒)
ト書き:黄色い梯子を降りたミオが点検足場へ着く。父に教わった手動ブレーキの黄色い取っ手を右手で引くが、AIの錠がかかっているため動かない。錠は赤く光る。AIの赤い同期光が顔に当たり、ツクヨミが交代の条件を告げる。赤い光が消えた一瞬だけ、AIの錠が外れることも先に示す。
テロップ:[父に教わった手動ブレーキ/処刑炉まで残り17秒]
テロップ:[赤い光が消えた一瞬だけ、AIの錠が外れる]
ミオ「AIの錠がかかっている!」
ツクヨミ(AI)(声)「AIの赤い同期光を顔に浴びると、ヨミが出る。」
◆ s04(6秒)
ト書き:顔に当たったAIの赤い同期光で、ミオの中のもう一人・ヨミが前に出る。体・顔・衣装は変わらない。姿勢がまっすぐになり、首が右に傾き、片側だけで笑う。低い声になり、右手を離して左手で手動ブレーキの取っ手を握る。まだAIの錠がかかっているため引かず、光が消える瞬間を待つ。
テロップ:[ミオは右利き。ヨミは左手を使う/処刑炉まで残り12秒]
テロップ:[ミオの中のもう一人・ヨミ / 同じ体・同じ顔。低い声に変わる]
ミオ「どいて。あたし、ヨミ。」
◆ s05(6秒)
ト書き:点火前の閃光と振動が縦坑を走る。振動で頭上の同期光の向きが一瞬ずれ、赤い光が鋼鉄レールに遮られて顔から消える。寄りで、手動ブレーキを固定しているAIの錠が外れるところを見せる。ヨミが「ブレーキの錠が外れた。今!」と低く言い、左手で手動ブレーキを引く。ブレーキの爪がレールを挟んでカゴが止まる。最後に、カゴの扉のロックとレイの手首の拘束具は閉じたままと見せる。ブレーキの錠とは別で、レイはまだ出られない。
テロップ:[点火前の閃光/処刑炉まで残り6秒]
テロップ:[赤い光が消える→ブレーキのAIの錠が外れる→左手で引く]
テロップ:[カゴは停止。でも、扉のロックと手首の拘束具は閉じたまま]
ミオ「ブレーキの錠が外れた。今!」
◆ s06(7秒)
ト書き:残り0秒で炉に点火。止まったカゴの下で炎が上がる。右に傾いた首と低い声を保つヨミが、左手でカゴの扉のロックを外す。続けて手首の拘束具の解除つまみを左手で押し、レイの両手を自由にして安全な点検足場へ引き出す。開いた拘束具はカゴの床に残る。レイの頬に煤、前腕に傷がつく。レイは左手を見て、小さく「ヨミ……」と漏らす。二人が足場に立ったところでヨミが低く「レイ、もう大丈夫。」。最後の2秒以上は台詞も説明字幕もなく、二人の息と音楽だけで救出の安堵を見せる。
テロップ:[残り0秒/炉に点火]
レイ「ヨミ……」
ミオ「レイ、もう大丈夫。」
◆ s07(6秒)
ト書き:レイが肩をつかんで「ミオ!」と明確に呼ぶ。その直後、同じ体の姿勢がやわらぎ、首がまっすぐになり、声も元へ戻る。ミオは右手を胸に当て、止まったカゴを見て「誰が止めたの?」と尋ねる。ヨミが出ていた間の記憶はない。赤い光が消えただけではなく、レイが名前を呼ぶと、ミオに戻る。
テロップ:[レイが名前を呼ぶと、ミオに戻る]
テロップ:[ミオは、ヨミが出ていた間を覚えていない]
レイ「ミオ!」
ミオ「レイ……? カゴ、誰が止めたの? 何も覚えてない。」
◆ s08(7秒)
ト書き:AIツクヨミが天井の扉を閉め、二人は上へ戻れなくなる。二人は止まったカゴのそばから点検足場の奥へ歩き、整備通路の扉の丸いハンドルを一緒に手で回して開ける。この扉は父の鍵で開ける封印扉とは別の扉。
テロップ:[点検足場の奥にある整備通路の扉へ]
ツクヨミ(AI)(声)「逃走を確認。」
ミオ「上には戻れない。」
レイ「整備通路の扉だ。手で回す扉はAIには動かせない!」
【シーン 4】
◆ s09(4秒)
ト書き:同じころ、上の審判室。父ツグミはまだガラスの操作室から出られない。階下の封印扉を見下ろし、ヨミが起きたとつぶやく。ヨミを止めようと、法衣から真鍮の鍵を取り出して握り続ける。父ツグミの真鍮の鍵。階下の封印扉を開ける鍵。二人が逃げた整備通路の扉の鍵ではない。
テロップ:[同じころ、上の審判室 / 父の鍵=階下の封印扉用]
父ツグミ「ヨミが目覚めた……。この鍵で、封印扉を開ける。」
【シーン 5】
◆ s10(10秒)
ト書き:整備通路を通り、数分後、二人は夜の大通りへ出る。レイの頬の煤と前腕の傷は残っている。記憶のないミオが自分は何をしたのか尋ねる。レイは、さっき左手を見てヨミと呼んだ理由を明かす。ヨミを昔から知っていた。ミオの「知ってたの……? ずっと、黙ってたの?」という衝撃で閉じる。
テロップ:[整備通路を通って数分後/夜の大通り]
ミオ「私……何をしたの?」
レイ「赤い同期光で、お前の中のヨミが出る。助けたのはヨミだ。昔から知ってた。」
ミオ「知ってたの……? ずっと、黙ってたの?」