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古道具店で座った椅子、立つと消えると店員が言う ・ AI BunCho 公式

第1話第1話:小説版(ノベライズ本編)

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2026/10/29 公開・1,067字

『古道具店で座った椅子、立つと消えると店員が言う』

——立ったら消える?

────────────────────────

由美は椅子の座面に座ったまま、立ちかけた上体を止める。帰りたいのに、志津の説明が怖くて立てない。志津は戸口側の画面外。

斎藤 由美「帰りたい。立ったら消えるの?」

戸口の手前に立つ志津が、席を代われば帰れると静かに申し出る。名前と関係、場所と時刻を字幕で示す。

前田 志津「私が代わりに座れば、帰れます。」

椅子に座る由美が、そもそも志津に座るよう勧められたことを確かめる。上体を起こすが座面からは離れない。

斎藤 由美「座って試してって言ったの、あなたよ。」

戸口へ体を向けて歩き始めようとした志津が、座っている由美の「そこで待って」でぴたりと止まる。目が開き、口を閉じたまま体が固まる。命令の力の伏線。

斎藤 由美の声が響いた。「そこで待って。」

止まった位置の志津が由美に顔を向けたまま、独りが嫌だと話す。由美は帰れるという約束を信じて席を代わると自分で決め、志津に近づくよう頼む。

前田 志津「私、独りは嫌なんです。」

斎藤 由美の声が響いた。「帰れるなら、代わる。こっちに来て。」

志津が画面左の戸口側から椅子の脇へ来る。由美が右へ立ち上がり、その空いた椅子に志津が座る、ひと続きの席の交代。終わりには志津が中央左に着席し、由美が右に立っている。

椅子の右に立つ由美は、消えていない自分に安堵する。しかし画面外で座る志津が、消える話は嘘だと認める。由美の笑みにはならない安堵が驚きに変わる。

斎藤 由美「立てた……消えない!」

前田 志津の声が響いた。「消えるなんて、嘘ですよ。」

椅子に座った志津が、右に立つ由美へ止まるよう命じる。志津の顔は平静で、先ほど戸口で止まった自分をなぞる言い方をする。

前田 志津「今度は、あなたが止まって。」

感動の山: 怖さ。由美の体が志津の命令で停止し、目だけが大きく開く。志津の決め台詞で椅子の本当の力を言い切る。台詞後は口を閉じた恐怖顔を残す。

前田 志津の声が響いた。「今度は、私の命令でしか動けない。」

椅子に座り続ける志津が、由美に部屋から出ることを禁じる。独りが嫌だという前半の言葉が、監禁の目的だったと分かる。

前田 志津「ここから出ないで。」

右に立った由美は、左の開いた戸口を見て帰ろうとするが、足を踏み出せない。顔も体も志津側を向いたまま、帰れない結果を言葉にする。最後まで足は床から離れない。

斎藤 由美「帰りたいのに、足が動かない。」

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