『FINAL 7』第6話「六十秒で断る』
——候補生ヒナタ
────────────────────────
接続したスマホのスピーカー。客A「推し変するよ?」。HINATAの笑顔が止まる。
客A「推し変するよ?」
客Aの映像欄はアイコンに差し替え。客A「十枚買って、飯も無理ならさ。俺、何のために通ってんの」
客A「十枚買って、飯も無理ならさ。俺、何のために通ってんの」
HINATA「今日も、来てくれてありがとう」
ヒナタ「今日も、来てくれてありがとう」
画面外のREIが立つ。
客A「それだけ? 俺のこと、好きって言ってよ」 HINATAは笑おうとしてやめる。
客A「それだけ? 俺のこと、好きって言ってよ」
HINATA「応援は、うれしい。でも二人で会う約束も、恋人みたいな返事もできません」
ヒナタ「応援は、うれしい。でも二人で会う約束も、恋人みたいな返事もできません」
REIは口を挟まず、退出導線側で待つ。
客A「他の子なら、もっと大事にするのに」 HINATA「そう言われると、怖いです」
客A「他の子なら、もっと大事にするのに」
ヒナタ「そう言われると、怖いです」
客A「冗談じゃん」 HINATA「私には、冗談じゃなかった」 音楽は入れない。
客A「冗談じゃん」
ヒナタ「私には、冗談じゃなかった」
HINATA、姿勢を戻す。HINATA「ライブの話なら、したいです」
ヒナタ「ライブの話なら、したいです」
返事はない。
終了音。運営側の進行画面が「終了」になる。60秒の枠は延びない。
HINATA、息を吐く。「……終わった」 REI「言えたね」
ヒナタ「……終わった」
レイ「言えたね」
隣のブースからKOKOROが出てくる。「私、言わなきゃいけないことがある」
ココロ「私、言わなきゃいけないことがある」