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迎えに来た武者は、すでに死んでいた ・ AI BunCho 公式

資料映像脚本・カット割り台本

これは小説の本編ではなく、映像化のための資料です。本編の出来事や結末が書かれていることがあります。

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2026/11/02 公開・1,949字

【公式映像脚本】『迎えに来た武者は、すでに死んでいた』第1話「迎えに来た武者は、平家の亡霊だった』

キャッチコピー:迎えに来た武者

■ 登場人物

・河野 芳一(目が見えない琵琶の奏者。死者の供養の頼みを断れない。)

・西村 宗平(芳一を捜し、亡霊から守ろうとする寺の僧。語りも担当する。)

・武田 義久(平家の亡霊である迎えの武者。人間と同じ整った顔で、最後まで礼儀正しい。)

■ 本編カット割り台本

【シーン 1】

◆ s01(4秒)

 ト書き:翌朝。宗平が画面外の芳一を見つめ、守れなかった事実に息を詰まらせる。傷も芳一の耳も映さない。冒頭の問いのあとに人物紹介を出す。

 テロップ:[迎えに来た武者]

 テロップ:[西村宗平]

 西村 宗平「耳だけに、経文がない。」

 西村 宗平「芳一を守るはずが……。」

【シーン 2】

◆ s02(4秒)

 ト書き:昨夜へ戻る。芳一は自分の琵琶を抱え、疲れていても供養の演奏を引き受ける。寄りの背景は木の幹だけで、墓石はまだ画角外。

 テロップ:[昨夜・盲目の奏者・河野芳一]

 河野 芳一「疲れてても、供養なら琵琶を弾きます。」

◆ s03(4秒)

 ト書き:武者は芳一に向かって礼儀正しく頼む。普通の人間の顔で、墓石は画角外。

 テロップ:[武田義久]

 武田 義久「平家の海での最期を、琵琶で。」

◆ s04(4秒)

 ト書き:芳一が琵琶を弾き語る。細かな指先ではなく、亡くなった平家の悲しみを語る顔を主役にする。宗平の回顧の語りが題名の問いを置く。

 西村 宗平(声)「親切に迎えに来た武者は何を持ち帰ったのか」

◆ s05(4秒)

 ト書き:芳一を捜す宗平が画面左奥の土の道から入り、画面中央で止まる。芳一のいる画面外を見て、墓石の前での演奏に驚く。

 西村 宗平「芳一、誰に弾いている?」

◆ s06(5秒)

 ト書き:宗平は墓石と、画面外にいる平家の装束の武者を見たうえで、芳一へ事実を告げる。最初の逆転。

 西村 宗平「ここは墓地だ。相手は平家の亡霊だ。」

【シーン 3】

◆ s07(5秒)

 ト書き:同じ夜。芳一を経文で守るため、宗平は芳一を寺へ連れ戻した。首への経文はすでに書き終えている。左手前で後ろ向きの宗平が、右の芳一の額へ筆を運ぶ。芳一は口を閉じて待つ。琵琶は右奥の畳に置いてある。墨の線は読めない大きさと角度にする。

 テロップ:[同じ夜・寺]

 西村 宗平「寺なら守れる。体に経文を書く。」

◆ s08(5秒)

 ト書き:経文を書き終えたあと。芳一の額と首には読めない墨の線があり、耳は肌のまま。芳一は僧を信じ、声を出さず待つと決める。衣服は変わらない。

 西村 宗平(声)「経文で姿が消える。声は出すな。」

 河野 芳一「黙って待ちます。」

◆ s09(4秒)

 ト書き:宗平は入口脇の木の台に筆を置く。お勤めへ向かうことを告げる。退室そのものは次のカットまでの連続した時間に起きる。

 西村 宗平「筆は置く。お勤めに行く。声を出すな。」

◆ s10(4秒)

 ト書き:宗平が退室したあと。武者が同じ入口の画面奥から室内中央へ入る。芳一は画面外で沈黙を守る。武者の姿と装束を明瞭に見せる。

 武田 義久「芳一。連れて帰るぞ。」

◆ s11(5秒)

 ト書き:怖さの山。武者は画面外の芳一の耳の高さを見つめる。決め台詞を約2秒で言い、残りは口を閉じた無音の間。台詞の直後に低い効果音を一撃だけ置き、その後は静寂にする。

 武田 義久「耳だけでも、持ち帰る。」

◆ s12(4秒)

 ト書き:耳を奪う出来事はカット間の画面外で起きる。芳一は寺の一室に残っている。武者はすでに袖を閉じ、袖口には新しい小さな血の染みがある。耳や傷そのものは見せない。用を終えた武者が入口へ体を向ける。宗平の語りが、血の染みの意味を一度だけ言い切る。

 西村 宗平(声)「芳一は、耳を奪われた。」

◆ s13(5秒)

 ト書き:入口へ去る武者を左側の横顔で明瞭に映す。整った顔も装束も最初と同じで、右の袖口には前カットと同じ小さな血の染みが残る。口は閉じたまま。閉じた袖を抱えた姿が一歩だけ画面奥へ遠ざかる。画面右奥には芳一が座ったまま残り、ぼけた後頭部と生成りの着物の肩だけが柱の脇に見える。両耳の位置と傷は柱に隠す。芳一は顔を武者の足音へ向け、口を閉じて動かない。奪って去る者と取り残される者を同時に示すための二人カットで、武者だけを大きく鮮明に映す。宗平の語りが、耳だけを奪われた理由を短く結び、最後は説明字幕でなく亡霊の姿で閉じる。

 西村 宗平(声)「耳に経文を書き忘れた。だから、耳だけ見えた。」

『迎えに来た武者は、すでに死んでいた』はここで完結です

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