【公式映像脚本】『終電を待つ柴犬』
キャッチコピー:山あいの小さな駅で、柴犬のこむぎは毎晩、終電を待っている。
■ あらすじ
山あいの小さな無人駅「ひぐらし台駅」で、赤柴のこむぎは毎晩ベンチに座り、終電を待っている。駅員が肩に毛布をかけても動かない。23時52分、ヘッドライトが近づき、仕事帰りの飼い主が降りてくる。こむぎと飼い主は、街灯の下を並んで帰っていく。
■ 登場人物
・こむぎ(柴犬)(主人公):白い前足と色褪せた青い首輪をした小さな赤柴。毎晩ひぐらし台駅で飼い主の終電を待つ。
・美穂(飼い主(会社員)):都心まで片道2時間かけて通勤する若い女性。こむぎの待つ駅へ終電で帰ってくる。
・老駅員(最終巡回の駅員):こむぎにそっとチェック柄の毛布をかけてやる優しい老駅員。
■ チャプター構成
[00:00] 夜の無人駅
[00:04] 踏切の音
[00:09] 駅員の毛布
[00:14] ヘッドライト
[00:20] おかえり
[00:25] 帰り道
■ 本編カット割り台本
◆ Cut-01(4秒)
ト書き:秋の夜霧が立ちこめる山あいの小さな駅。裸電球がひとつ灯る木造ホームのベンチに、赤柴のこむぎがちょこんと座り、暗い線路の先を見つめている。
ナレーション「23時48分 ひぐらし台駅」
◆ Cut-02(5秒)
ト書き:遠くからカン、カン、と踏切の警報音が風に乗って届いた。こむぎの三角の耳がぴくりと立ち、冷たい夜気に白い息がふわりと溶ける。
◆ Cut-03(5秒)
ト書き:最終見回りの老駅員が歩み寄り、震えるこむぎの背中に小さなチェック柄の毛布をそっとかけた。それでもこむぎは一歩も動かず、線路の先を見つめ続けている。
◆ Cut-04(6秒)
ト書き:夜霧を裂いて二両編成の終電のヘッドライトが近づいてくる。こむぎはベンチの上で立ち上がり、くるりと巻いた尻尾を懸命に振り始めた。
◆ Cut-05(5秒)
ト書き:プシューと扉が開き、コート姿の飼い主・美穂が降りてくる。両手を広げてしゃがみ込んだ彼女の胸へ、こむぎは毛布を揺らしながら飛び込んだ。
◆ Cut-06(5秒)
ト書き:駅の明かりが消え、大きな秋の満月が照らす田舎道を、美穂とこむぎがぴったりと寄り添って歩いていく。二つの影が街灯の下でひとつに重なっていた。
ナレーション「おかえり」