『モンテ・クリスト伯 ― 奪われた愛と復讐 ―』第10話「死んだ恋人が帰ってきた』
——モンテ・クリスト伯 ― 奪われた愛と復讐 ―』第10話「死んだ恋人が帰ってきた
────────────────────────
伯爵の顔を見たメルセデスの手が止まり、瞳が震える衝撃のフック(この話「死んだ恋人が帰ってきた」の冒頭)。
メルセデス(モルセール伯爵夫人)の声が響いた。「……エドモン?」
豪華な客間でアルベールが伯爵を母に紹介する。
アルベール「母上、ローマで僕を助けてくれた伯爵です。」
壁の若きメルセデスの肖像画を示すインサート。
伯爵が初めましてと静かに挨拶する。
モンテ・クリスト伯(エドモン)「初めまして、奥様。」
母の反応をうかがうアルベール。
アルベール「母上?」
メルセデスが出身を尋ねる。
メルセデス(モルセール伯爵夫人)「……ご出身は?」
伯爵が地中海の島々を渡り歩いたと答える。
モンテ・クリスト伯(エドモン)「地中海の島々を渡り歩いていました。」
メルセデスがマルセイユにはと問い詰める。
メルセデス(モルセール伯爵夫人)「マルセイユには?」
扇子を強く握るメルセデスと淡々と答える伯爵。
モンテ・クリスト伯(エドモン)「昔、少し。」
フェルナンが伯爵を紹介する。
モルセール伯爵(フェルナン)「これは伯爵。息子を救ってくださったとか。」
伯爵が息子を勇敢な青年だったと評する。
モンテ・クリスト伯(エドモン)「ええ。勇敢な青年でした。」
フェルナンが末永い付き合いを申し出る。
モルセール伯爵(フェルナン)「ぜひ我が家とも末永いお付き合いを。」
二人が握手を交わす。
モンテ・クリスト伯(エドモン)「喜んで。」
何事もなかったように立ち去る伯爵を廊下で見つめるメルセデス。
廊下に一人残され伯爵の背を見送るメルセデス。
彼女の目に涙がにじむ。
メルセデス(モルセール伯爵夫人)の声が響いた。「声も、目も……。」
生きていたのねと心の中で呼びかけるメルセデス。
メルセデス(モルセール伯爵夫人)の声が響いた。「生きていたのね……エドモン。」